
ASUSのノートパソコンやデスクトップで、USBメモリから起動しようとしても、なぜかうまくブートできない――そんな状況に戸惑ったことはありませんか?
- USBメモリを差してもBIOSで認識されない
- ブート優先順位を変更してもHDDからしか起動しない
- 起動時に「No bootable device」などのエラーが表示される
こうしたトラブルは、BIOS設定のミスやUSBメモリ側のフォーマット不備など、複数の原因が絡んで発生している可能性があります。
やみくもに設定をいじると、パソコンが正しく起動しなくなるリスクもあるため、安全な手順でトラブルの原因を特定し、的確に対処することが重要です。
本記事では、ASUS製パソコンでUSBブートができないときの主な原因と、それぞれのケースに合わせた具体的な対処法をわかりやすく解説しています。
目次
ASUSパソコンでUSBブートができない主な原因
USBメモリが認識されずブートできないときは、ハードウェアの不良よりも、設定ミスや作成ミスなどソフト的な原因が多いです。以下に主な原因を詳しく解説します。
BIOS(UEFI)設定ミス
最も多い原因がBIOS設定のミスです。Secure Bootが有効のまま、CSM(Legacy Boot)が無効である場合、USBブートはできません。
また、Boot PriorityにUSBメモリが登録されていないと、自動的に内蔵ストレージから起動してしまうため、BIOS内での優先順位の確認と設定が必須です。
周辺機器の干渉
USBハブや外付けHDDなど、他のUSB機器が接続されていると、BIOSやブートメニューが正しくUSBメモリを認識できないことがあります。
USBブートを試す際は、他のUSBデバイスはすべて外すのが基本です。
BIOSのバージョン問題や設定異常
古いBIOSでは新しいUSBメモリやOSインストーラに対応していないことがあります。また、設定変更を繰り返した結果、内部的に異常な状態となっていることもあります。
この場合、BIOSを初期化したうえで再設定し、必要であれば最新バージョンへのアップデートも検討しましょう。
USBメモリの作成不良や物理故障
起動用USBメモリの作成に失敗していたり、フォーマット形式(例:NTFS)や作成手順に誤りがあると、パソコンがUSBメモリを起動可能なメディアとして正しく認識できない場合があります。このような状況では、OSのインストールやシステム修復を行おうとしても、USBからの起動ができずに手詰まりになる可能性があります。
また、問題の原因が作成手順だけでなく、USBメモリ自体の物理的な故障であるケースも考えられます。そのため、まずは別のパソコンでUSBメモリが正常に認識されるかを確認することが重要です。端子の接触不良や記録領域の損傷などがある場合、データが読めず、復旧が困難になることもあります。
特に重要なデータが保存されているUSBメモリであれば、状態が悪化する前に、正確な診断と安全な処置を行う必要があります。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも
機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
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ASUSパソコンのUSBブート問題を解決する対処法
ここでは、USBブートができないときに確認・実行すべき具体的な対処法を紹介します。手順通りに進めることで、多くのケースで問題を解決できます。
BIOSでの設定確認・変更
BIOS(UEFI)でSecure BootとCSM(またはLegacy Boot)の設定を変更し、USBが起動できる状態にします。
- PCの電源を入れた直後に F2 または Delete を連打し、BIOSを開きます。
- 「Boot」タブを開き、Secure BootをDisabled(無効)にします。
- 「CSM Support」または「Legacy Boot」を Enabled(有効)にします。
- 「Boot Priority」でUSBメモリを最上位に設定します。
- 設定後、「Save & Exit」から保存して再起動します。
USBメモリの状態確認と再作成
作成したUSBが正しく機能していない場合は、FAT32で再フォーマットし、再度ブータブルUSBを作成します。
- 別のPCでUSBメモリを挿し、正常に認識されるか確認します。
- FAT32形式でフォーマットを行います。
- Rufusなどの公式ツールを使用してブータブルUSBを再作成します。
- OSのISOファイルが正しいか(破損していないか)も確認します。
他の周辺機器を取り外す
USBハブや外付けストレージなど、余計なUSBデバイスがあると干渉してブート失敗の原因になります。
- USBメモリ以外のすべてのUSB機器(ハブ・HDD・マウスなど)を取り外します。
- USBメモリはPC背面(または直付けのUSBポート)に直接接続します。
- 再起動後、USBが認識されるか確認します。
BIOSの初期化とアップデート
設定をいじりすぎて起動できない場合や、旧BIOSによる不具合が疑われる場合は、初期化・アップデートを検討しましょう。
- BIOS画面を開き、「Exit」タブにある「Load Setup Defaults」を選択して初期化します。
- 設定を保存して再起動後、再度USBブート設定を行います。
- 必要に応じてASUS公式サイトからBIOSの最新バージョンをダウンロードします。
- 「EZ Flash」などを利用してBIOSをアップデートします(事前に注意事項をよく確認)。
起動時にBoot MenuからUSBを選択
ブート順設定を変更しなくても、一時的にUSBメモリから起動することができます。
- PCの電源を入れた直後に Esc または F8 キーを連打します。
- 「Boot Menu」が表示されたら、USBメモリを選択して起動します。
- USBが表示されない場合は、BIOS設定やUSBの状態を再確認しましょう。
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まとめ
ASUSパソコンでUSBブートができない原因は、BIOS設定の誤りやUSBメモリの作成ミス、接続環境の問題など、ソフト面がほとんどです。冷静に原因を切り分け、順番に対処法を試すことで、多くの問題は自力で解決できます。どうしてもUSBが認識されない、またはデータが重要な場合は、専門業者への相談も視野に入れて安全に対応しましょう。