
「間違えてHDDを完全フォーマットしてしまった…データはもう戻せないの?」
そんな不安を抱えている方のために、この記事では完全フォーマットの仕組みと、なぜデータの復元が困難なのかを詳しく解説します。
目次
完全フォーマットとは?
「完全フォーマット」とは、HDDやSSDなどの記憶媒体に対して、全てのセクタ領域に0やランダムなデータを書き込む処理を行うことです。
Windowsでは「クイックフォーマット」のチェックを外して実行したフォーマット処理が、これに該当します。
- クイックフォーマット: ファイルの管理情報(MFTやFAT)だけを初期化。データ本体はそのまま。
- 完全フォーマット: 全領域にゼロやランダムデータを書き込み、物理的に消去される。
つまり、クイックフォーマットなら復旧ソフトでデータを回収できる可能性がありますが、完全フォーマットは痕跡そのものが消されるため、原則復旧不可能という大きな違いがあります。
なぜ完全フォーマットでは復旧できないのか
完全フォーマットでは以下のような処理が行われるため、復元ソフトでもデータの解析や再構築ができなくなります。
■ 全セクタへの上書き
ファイルが保存されていたHDDの物理領域(セクタ)に、「0」や「ランダムなパターン」のデータが上書きされます。この処理により、以前のデータは上書きされて消えてしまい、スキャンしてもデータの構造が完全に消失しています。
■ ファイルシステム自体が破壊される
クイックフォーマットではMFT(マスターファイルテーブル)やFAT(ファイルアロケーションテーブル)などが残っている場合がありますが、完全フォーマットではそれも上書き消去</strongされます。結果として、ファイル名もファイル位置もデータ構造も失われます。
■ 高度な消去方式(DoD・NSA)では完全消去
さらに消去ソフトや組織によっては、「DoD 5220.22-M方式」「NSA方式」などの軍事レベルの完全消去方式</strongが使われることがあります。
- NSA方式:1回のゼロ書き込みで全消去
- DoD方式:3回〜7回以上の書き込みを行い、復元不可能に
- Gutmann方式:35回書き込み
これらの方式が実行されていた場合、専門の復旧業者でもデータを取り戻すことは不可能です。
ただし、完全フォーマットに見えて、実は「クイックフォーマットだった」「消去ツールの設定ミスで上書きが不完全だった」といったケースでは、復旧の可能性が残っています。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも
機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
データ復旧業者を選ぶ際、「どこに相談すれば本当に安心できるのか」と悩む方は多いと思います。編集部では数多くのサービスを比較してきましたが、その中でも特に信頼性の高い選択肢としておすすめできるのが「デジタルデータリカバリー」です。
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実は復元できるケースもある?見極めと対処法
「完全フォーマットしてしまった」と思っていても、実際にはクイックフォーマットだった、あるいは完全消去が正しく完了していなかったということもあります。この場合はデータ復旧の可能性が残されています。
■ よくある「完全フォーマットと勘違い」のケース
- 「クイックフォーマット」のチェックを外したつもりが、実は外れていなかった
- 消去ソフトが全セクタへ書き込んでいなかった(キャンセル・エラーなど)
- 実行直後に気づき、まだ他のデータを上書きしていない
- 複数パーティションのうち、一部だけをフォーマットしていた
■ 復元できるか見極めるポイント
以下の条件に当てはまるほど、復旧できる可能性が高くなります。
- フォーマット後に新しいファイルを書き込んでいない
- HDDの使用をすぐに停止している
- 完全フォーマットに使ったのがWindowsの標準機能だけ
- 専門の消去ソフトやDoD方式など高セキュリティ消去方式を使っていない
復旧のためにやるべきこと
復旧の可能性がある場合は、以下の順番で対応していきます。
1. HDDの使用をすぐに中止する
まず最も大事なのは通電・上書き作業を一切しないことです。これ以上の書き込みは、復元可能な領域まで潰してしまいます。
2. データ復元ソフトでスキャンを試す
復旧可能性があるなら、自力での復元を試すのも一つの選択肢です。以下のような専用ツールを使い、失われたファイルをスキャンして確認します。
- EaseUS Data Recovery Wizard(日本語対応、直感的)
- Recoverit(動画復元に強い)
- Recuva(軽量で無料から使える)
- AOMEI Partition Assistant(ディスク管理と復元一体型)
スキャン後にプレビューが表示されれば、復旧のチャンスがあります。ファイルの内容が見えるものから優先的に保存してください。
3. ソフトで復元できなければ業者に依頼
復元ソフトで何も見つからない/ファイルが壊れている場合は、個人対応の限界です。
この段階で無理をすると、データが上書きされたり破損する恐れがあるため、データ復旧の専門業者に相談するのがベストです。
以下のいずれかに当てはまるなら、すぐにプロの診断を検討しましょう。
- 復元ソフトではファイルが出てこなかった
- 一部だけ復元できたが、大半が破損している
- HDDが認識されない、異音がする、熱くなるなどの症状がある
- 「絶対に失いたくないデータ」が含まれている
おすすめデータ復旧サービス・製品
物理的な損傷やソフトウェアで復元が難しい場合、以下のデータ復旧業者をご検討ください。
デジタルデータリカバリー

対応製品 | ■記憶媒体全般 ハードディスク、外付けHDD、NAS/サーバー(RAID構成対応)、パソコン(ノートPC/デスクトップPC)、SSD、レコーダー、USBメモリ、SDカード、ビデオカメラ、スマホ(iPhone/Android)、ドライブレコーダー等 |
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復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
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所在地 | 本社:東京都六本木 持込み拠点:横浜、名古屋、大阪、福岡 |
デジタルデータリカバリーのさらに詳しい説明は公式サイトへ
※1:第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年) ※2:2018年2月実績 復旧率=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数 (2017年12月~2021年12月の各月復旧率の最高値)
まとめ
完全フォーマットを実行したHDDは、基本的にデータ復元ができません。これは、クイックフォーマットとは異なり、HDDの全領域を「0」やランダムな値で上書きするため、データの痕跡が物理的に消去されてしまうからです。
誤って完全フォーマットを行ってしまった場合、自力で復元を試みても回復は極めて困難です。大切なデータであれば新たな操作や通電を控え、すぐに専門業者に診断を依頼するのが唯一の対応策といえるでしょう。
ただし「完全フォーマットしたと思っていたが、実はクイックフォーマットだった」ケースも意外と多く、その場合は復元の可能性があります。復旧を成功させるには、フォーマット後に新しいデータを書き込まず、すぐに復旧作業を行うことが大切です。
今後の対策としては、誤操作によるフォーマットを防ぐためにも、バックアップの習慣化、重要操作前のダブルチェックを徹底し、万一の時に備えましょう。