
CPUを新しく交換したのに、PCが起動しない――そんなトラブルに直面していませんか?本記事では、初心者にもわかりやすく、CPU交換後に起動しない原因と対処法を詳しく解説します。自力で対処する前に、正しいチェックポイントを知ることが、無駄なトラブルを防ぐ第一歩です。
CPU交換後に起動しない原因
CPU交換後にPCが起動しない原因はいくつかあります。以下に、主な原因を紹介します。
CPUの取り付け不良
CPU交換時にもっとも多い原因の一つが、物理的な取り付け不良です。CPUソケットへの挿入がずれていたり、ピンが曲がっていたりすると、正しく通電せずPCが起動しません。
また、熱伝導ペーストが適切に塗布されていないと冷却効率が下がり、CPUの温度上昇によって起動エラーを引き起こす可能性もあります。
この状態で無理に起動を繰り返すと、マザーボードやCPU自体が破損する恐れがあります。注意が必要です。
CPUとマザーボードの互換性
新しいCPUがマザーボードに対応していないと、PCはまったく反応しないことがあります。特にソケット形状が異なる場合や、対応チップセットでない場合は要注意です。
さらに、対応していたとしてもBIOSのバージョンが古いと、新CPUを認識できず起動できないケースがあります。
互換性を無視してパーツを組み合わせると、通電しないだけでなく、パーツ同士を破損させるリスクもあります。
電源ユニットの容量不足
高性能なCPUは従来のモデルに比べて消費電力が大きくなる傾向があります。電源ユニットがその負荷に耐えられないと、起動すらできません。
特にグラフィックボードや他のパーツも高性能な場合、総合的な電力不足に陥る可能性が高まります。
無理に電源を入れることで電源ユニットが過負荷で故障し、他のパーツまで巻き込むこともあります。
BIOS設定やバージョンの不具合
CPUを交換した後、BIOSの設定が適合していないと起動できない場合があります。特に旧設定が新CPUと不整合を起こすケースは珍しくありません。
また、BIOSが古いと、そもそも新しいCPUに対応しておらず、BIOSアップデートが必須になることもあります。
間違ったBIOS操作やアップデートはPCの起動不能リスクを伴うため、慎重に対応が必要です。
周辺機器や冷却装置の不具合
周辺機器やCPUクーラーの取り付けが正しくないと、通電時にエラーが発生し、BIOSレベルでのストップがかかることもあります。
特にCPUファンが回っていないと、冷却不足で保護機能が働き、起動を拒否する仕様のマザーボードもあります。
一見関係ないように見える部分でも、CPU交換時には全体の見直しが必要です。
CPU交換後の正しい確認と対処法
原因を踏まえたうえで、次は実際の確認と対処手順を見ていきましょう。
CPUの取り付けを再確認する
まず最初に、CPUの物理的な取り付け状況を確認しましょう。
- PCの電源ケーブルを完全に抜き、静電気対策をして作業します。
- CPUソケットのレバーを開け、CPUが正しい向きで挿入されているか確認します(▲マークの位置に注意)。
- CPUピンが曲がっていないかをルーペなどで確認します。
- 適量の熱伝導グリスを塗布し、CPUクーラーをまっすぐに装着します。
- クーラーの固定がしっかりされているかも確認します。
CPUとマザーボードの互換性を確認する
使っているマザーボードと新しいCPUが互換性のあるものか調べましょう。
- マザーボードの型番を確認し、メーカーの公式サイトにアクセスします。
- 「CPUサポートリスト(CPU Support List)」を検索し、使いたいCPUがリストにあるか確認します。
- リストにない場合は、そのマザーボードではサポート外です。
電源ユニットの容量を見直す
消費電力に見合った電源を使っているかを確認します。
- 新CPUのTDP(熱設計電力)を調べます。
- グラフィックボードや他パーツの消費電力も合算し、合計を算出します。
- 電源ユニットの出力(W数)がその合計を十分に超えているかを確認します。
BIOSの更新・初期化を行う
BIOSのバージョンと設定が原因であれば、更新または初期化を行います。
- マザーボードメーカーの公式サイトから最新のBIOSをダウンロードします。
- USBメモリにBIOSファイルを入れ、指定手順でアップデートを実行します(機種により異なる)。
- 設定ミスが疑われる場合は、CMOSクリア(ボタン電池を外す)を実施します。
不要な周辺機器を外して起動を試す
周辺機器が起動エラーを誘発している場合があります。最低限の構成で再起動を試します。
- 外付けHDDやUSB機器、光学ドライブなどをすべて外します。
- キーボード、マウス、モニターのみ接続します。
- これで起動できれば、周辺機器の一つが原因である可能性が高いです。
CPUクーラーの動作を確認する
クーラーが正しく動作していないと起動時にストップする場合があります。
- 電源投入時にCPUファンが回転しているか目視で確認します。
- BIOSに入れる場合は、温度モニターでCPU温度を確認します。
- ファンのコネクタがマザーボードに正しく接続されているかチェックします。
自力での対処が難しい場合や、マザーボードやCPUの損傷が疑われる場合は、以下の修理・復旧サービスの利用を検討しましょう。
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まとめ
CPU交換後にPCが起動しない場合は、物理的な取り付けミス、互換性の問題、電源不足、BIOS不具合など、さまざまな原因が考えられます。自力で対処できる部分はありますが、無理に進めるとさらなる損傷につながる可能性も。安全・確実にトラブルを解消するには、実績ある修理・復旧業者への相談が最善策です。