
SDカードがRAWフォーマットになり、データにアクセスできなくなった場合の原因と復旧方法を解説。データ復旧ソフトの使用、CHKDSKコマンドでの修復、別のデバイスでの確認、専門業者への相談など、RAW状態のSDカードからデータを救出する具体的な方法を紹介します。
SDカードがRAW状態になる原因
SDカードが突然RAW状態になると、ファイルが開けなくなり、「フォーマットする必要があります」と表示されることがあります。これは、SDカードのファイルシステムが破損してしまったためです。RAW状態になったSDカードをそのままフォーマットすると、データが完全に消えてしまうため、まずは原因を特定し、適切な対処を行うことが重要です。
以下のような原因が考えられます。
不適切な取り外し
SDカードをPCやカメラから正しく取り外さなかった場合、ファイルシステムが破損し、RAW状態になることがあります。
特に以下のような状況で発生しやすくなります。
- データの転送中にSDカードを抜いた – 読み書きの途中で取り外すと、ファイルシステムの情報が破損する可能性があります。
- 「安全な取り外し」をせずに抜いた – WindowsやMacでは「ハードウェアの安全な取り外し」を行わずにカードを抜くと、データの破損が起こることがあります。
- カメラやスマホで使用中に強制的に電源を切った – 撮影中やデータを記録している最中に電源を切ると、SDカードがRAW化することがあります。
SDカードを取り外す際は、必ず「安全な取り外し」を行うようにしましょう。また、データ転送中は抜かないよう注意が必要です。
ウイルス感染
ウイルスやマルウェアがSDカードのファイルシステムを破壊すると、RAWフォーマットとして認識されることがあります。特に、以下のような状況では感染リスクが高まります。
- 不審なPCにSDカードを接続した – 公共のPCや不特定多数の人が使用するPCでは、ウイルスに感染するリスクが高まります。
- 怪しいソフトをインストールしたPCで使用した – フリーソフトのインストール時にマルウェアが混入し、SDカードが感染することがあります。
- ウイルススキャンを長期間行っていない – SDカードを定期的にウイルススキャンしないと、知らない間に感染している可能性があります。
信頼できるウイルス対策ソフトを使用し、定期的にSDカードをスキャンすることで、感染リスクを低減できます。
ファイルシステムの破損
ファイルシステムとは、SDカード内のデータを管理する仕組みです。この部分が破損すると、SDカードがRAW状態になり、データが読み取れなくなります。
ファイルシステムの破損は以下のような原因で発生します。
- 長期間使用している – SDカードの寿命が近づくと、ファイルシステムが破損しやすくなります。
- 突然の電源断 – カメラやPCで使用中に電源が落ちると、データ管理情報が破損することがあります。
- フォーマットエラー – SDカードを異なるファイルシステム(FAT32からexFATなど)でフォーマットした際に不具合が発生すると、RAW状態になることがあります。
SDカードの使用環境を整え、定期的にバックアップを取ることで、ファイルシステムの破損を防ぐことができます。
デバイスの故障
SDカード自体が正常でも、カードリーダーやPCのUSBポートが故障していると、SDカードがRAWと誤認識されることがあります。
以下のようなケースでは、デバイスの不具合が原因の可能性があります。
- PCのUSBポートに接続するとRAW状態になるが、他のPCでは正常に認識される。
- 特定のカードリーダーでのみRAWと表示される。
- 長期間使用していなかったSDカードが突然RAWになった。
このような場合、まずは別のPCやカードリーダーで試すことで、SDカードの故障か、それ以外のデバイスの不具合かを切り分けることが重要です。
ただし、何度も抜き差しを繰り返したり、不具合のあるデバイスを使い続けたりすると、SDカードのデータが完全に消失するリスクもあります。特に、大切なデータが含まれている場合は、専門的なデータ復旧を検討することが安全です。
RAW状態のSDカードからデータを復元する方法
SDカードがRAW状態になると、通常の方法ではデータにアクセスできなくなります。しかし、適切な手順を踏めば、データを復元できる可能性があります。以下の方法を試し、データの取り出しを試みましょう。
注意:RAW状態のSDカードに対して「フォーマット」を実行すると、データが完全に失われる可能性があるため、まずは以下の方法を試してください。
データ復旧ソフトを使用する
RAW状態になったSDカードのデータを取り戻すためには、専用のデータ復旧ソフトを使用するのが最も効果的です。以下のソフトウェアを試してみましょう。
- Recoverit – RAWフォーマットのSDカードからデータを復元可能。
- Recuva – 無料で使える復旧ソフトで、軽量で操作が簡単。
- EaseUS Data Recovery Wizard – 高い復元成功率を誇り、多くのファイル形式に対応。
復旧ソフトを使用する手順は以下の通りです。
- SDカードをPCに接続する。
- 復旧ソフトをインストールし、起動する。
- RAW状態のSDカードを選択し、「スキャン」を開始する。
- スキャン結果から復元したいデータを選択し、安全なストレージ(PCのHDDや外付けHDD)に保存する。
CHKDSKコマンドで修復
Windowsの「CHKDSK」コマンドを使用して、SDカードのエラーを修復する方法も有効です。ただし、この方法ではデータが消失する可能性があるため、先にデータ復旧ソフトを試すことをおすすめします。
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- 「Windowsキー + X」を押し、「コマンドプロンプト(管理者)」を選択。
- コマンド「chkdsk X: /f /r」を入力し、Enterを押す。(※XはSDカードのドライブレターに置き換えてください。)
- 修復が完了するまで待つ。
- 修復後、SDカードを取り外し、再接続して認識されるか確認する。
別のデバイスやポートを試す
SDカードがRAW状態になっている場合、PCやカードリーダー側の問題である可能性も考えられます。別の環境で試すことで、SDカードが正常に認識されることがあります。
- 別のPCにSDカードを接続し、認識されるか確認する。
- USBポートやSDカードスロットを変更して接続する。
- 別のカードリーダーを使用して接続を試す。
この方法でSDカードが正常に認識された場合、元のカードリーダーやUSBポートに問題がある可能性が高いため、今後の使用時には注意が必要です。
専門業者に相談する
上記の方法を試してもSDカードのデータを復元できない場合、データ復旧の専門業者に相談することをおすすめします。
以下のような状況では、専門業者の力を借りる必要があります。
- SDカードが物理的に破損している(折れ、割れ、水没など)。
- どの復旧ソフトでもデータが検出されない。
- CHKDSKなどの修復コマンドを試しても状況が改善しない。
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データが必要な場合、技術力のある適切な業者の選定といっても、素人には判断が難しいです。
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まとめ
SDカードがRAW状態になる原因は、不適切な取り外し、ウイルス感染、ファイルシステムの破損、デバイスの故障などさまざまです。原因を特定することで、データを復元できる可能性が高まります。
まずは別のデバイスで試す、ウイルススキャンを行う、CHKDSKコマンドで修復を試すなどの対策を実施し、それでも解決しない場合はデータ復旧ソフトや専門業者の利用を検討しましょう。