「パソコンの画面が黒いままで起動しない」「パソコンの電源が入らなくなった」
こういったトラブルが発生すると、パソコンでの操作ができず、作業が進みません。ただし、PCが起動しないからといって、自己判断で急いで対応すると、内蔵HDDやSSDが破損し、データが消えるなど、状況がますます悪化する可能性があります。
そこで今回は、パソコンが暗い画面で起動しない場合の原因、状態、注意点、対処法を解説します。
目次
パソコンが黒い画面で起動しない原因
電源をいれたはずなのに黒い画面のまま、または起動途中で黒い画面になってしまう場合、原因は大きくソフトウェアとハードウェアの問題に分けられます。それぞれの要因について詳しく説明します。
ハードウェアの問題
ハードウェアの問題は大きく分けて次の通りです。
- 電源ユニットの故障
- マザーボードの故障
- CPUの故障
- メモリの故障
- ディスプレイの故障
- ストレージデバイス(ハードドライブやSSD)の故障
特にストレージデバイスの故障は「異音」などの症状が目立ちます。
このとき自力での対応は困難のため、データの要不要に応じて専門業者まで対応を依頼しましょう。
電源ユニットの故障
電源が入らない、予期せずシステムがシャットダウンするなどの症状が見られる場合、電源ユニットの故障が考えられます。電源ユニットが故障していると、システムに必要な電力を供給できず、パソコンが起動しないか、起動途中で停止してしまいます。
マザーボードの故障
マザーボードはパソコンの中心的な回路基板であり、CPUやメモリ、拡張カードなどが接続されています。
マザーボードに問題があると、パソコンは正常に動作せず、最悪の場合は全く起動しなくなります。マザーボードの故障は、電源が入るけれども何も表示されない、ビープ音が異常に鳴るなどの症状で発覚することがあります。
CPUの故障
CPU(中央処理装置)は、パソコンの「脳」とも言える部分で、全ての計算処理を行います。しかし、CPUが故障していると、パソコンは命令を処理できず、起動に至らないか、起動後も正常に動作しないことがあります。
なお、CPUの故障は比較的稀ですが、過熱や物理的な損傷によって発生する可能性もあります。
メモリの故障
メモリ(RAM)は、パソコンが処理しているデータを一時的に保持するパーツです。メモリが故障していると、パソコンはデータの読み書きができず、起動不良やブルースクリーンなどの不安定な動作を引き起こす可能性があります。
メモリの問題は、メモリの取り外しや交換によって診断・解決できることが多いです。
ディスプレイの故障
ディスプレイの電源が入らない、ケーブルが正しく接続されていない、または損傷している場合、画面が黒いままになります。この場合、パソコン自体は正常に起動していますが、ディスプレイが信号を受信できずに何も表示されていません。
ストレージデバイス(ハードドライブやSSD)の物理的故障
ハードドライブやSSDなどのストレージデバイスが故障すると、オペレーティングシステムやアプリケーションのデータにアクセスできなくなり、パソコンは起動しないか、起動後にエラーが発生することがあります。
物理的故障は主に下記が原因です。
- 寿命
- 水没
- 強い衝撃
- 突然の電力ショート
- 高温多湿な環境での作業
HDDのトラブルの半数はこの「物理障害」によるものだと言われています。
物理障害の場合、クリーンルームでの開封作業や、最適なパーツの交換など、精密な作業が求められます。原則として個人で対応できません。安全に復旧するためにも業者に依頼することをおすすめします。
この際、修理業者やメーカーに依頼すると、データが消失する恐れがありますので、データ復旧を行う場合は、物理障害の復旧実績が豊富で、技術力のある専門業者に対応を依頼することをおすすめします。
ソフトウェアの問題
ソフトウェアの問題は大きく分けて次の通りです。
- オペレーティングシステム(OS)の破損
- ドライバーの不具合
- ソフトウェアの競合
ドライバーの不具合
OSや周辺機器とPC等のハードを結ぶ「ドライバー」に互換性がないか、破損している場合、パソコンはハードウェアを正しく認識できず、起動プロセス中に停止することがあります。この場合、ドライバーの更新や再インストールが必要になる場合があります。
ソフトウェアの競合
インストールされているソフトウェア間で競合が発生すると、システムが不安定になり、起動しないか、起動後に問題が発生することがあります(特に、セキュリティソフトが原因で起こることがあります)。
この場合、競合するソフトウェアを特定し、アンインストールまたは設定を変更することで問題を解決できる場合がありますが、専門知識や適切なツールが必要になることがあります。症状に応じて、専門家の助けを求めることも検討してください。
オペレーティングシステム(OS)の破損
OSのファイルが破損していると、パソコンは起動プロセスを完了できず、黒い画面で停止することがあります。これを「論理障害」と呼びます。論理障害は、内部の不具合や誤操作により読み書き不能になる状態です(これはデータ消去や強制終了を含みます)。
このときOSの修復や再インストールが必要になることがありますが、リカバリを行うとデータは消失します。データの要不要に応じて適切な対応を取りましょう。
論理障害と物理障害は判別しにくい
論理障害と物理障害は「認識しない」「エラーメッセージが表示される」などの似た症状を引き起こすだけでなく、二つの障害が同時に発生しているケースもあり、どちらの障害か明確ではない状況で対応しようと状況を悪化させる可能性があります。
経験豊富なデータ復旧専門業者は、過去の実績と専門知識を活用して、迅速かつ正確に障害を診断することができ、復旧率を最大限に高めることが可能です。
データ復旧における診断作業は、業界用語で「初期診断」と呼ばれており、復旧作業の可能性を判断するための重要なステップです。特に実績豊富で技術力のある業者であれば、障害を正確に切り分け、精度の高いデータ復旧を行うことが出来ます。
パソコンが黒い画面で起動しない時の対処法8選
パソコンが黒い画面で起動しないときの対処法はいくつかあります。
ここでは、代表的な8つの対処法をご紹介します。
- 対処法①:電源ランプを確認する
- 対処法②:電源ケーブルやバッテリーの状態を確認する
- 対処法③:BIOS設定を確認する
- 対処法④:周辺機器をすべて取り外す
- 対処法⑤:モニターを確認する
- 対処法⑥:放電を行う
- 対処法⑦:セーフモードで起動してみる
- 対処法⑧:OSを再インストールする
焦らずに、1つ1つ確認していきましょう。
対処法①:電源ランプを確認する
まずは、電源ランプでパソコンの状態を確認しましょう。
電源のランプが点灯しているとき
この場合、重い処理や負荷が原因で画面が黒くなっている可能性があります。
以下は暗い画面で起動しない時に、Windows10で再起動して画面が付くかを確認する手順です。
- 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを同時に押す
- もし画面が切り替わったら画面右下の電源マークから再起動
電源ランプが点滅しているとき
この場合、パソコンがスリープや休止状態の可能性があります。
キーボードのキーやマウスのボタンを押す、または電源ボタンを押して、スリープモードが解除できるかを試してみましょう。パソコンの画面が黒いままの場合は、「電源のランプが点灯しているとき」と同様の操作を行います。
以下は暗い画面で起動しない時に、Windows10で再起動して画面が付くかを確認する手順です。
- 「Ctrl」+「Alt」+「Delete」キーを同時に押す
- もし画面が切り替わったら画面右下の電源マークから再起動
※電源ランプは「点滅」「点灯」しているが、再起動ができない場合は「データ復旧業者」に相談することをお勧めします。むやみに操作しているとPCの状態が悪化し、最悪の場合データが取り出せなくなる可能性があるためです。
電源ランプが消灯しているとき
電源のランプが付いていないときは、パソコンの電源が切れています。その際は「電源ケーブルやバッテリーの状態」を確認してみてください。
対処法②:電源ケーブルやバッテリーの状態を確認する
パソコンへの電力供給ができていなければ、電源が切れて画面も真っ暗になります。ACアダプターや電源ケーブルを正しく接続しなおしてみましょう。
この際に電源ランプが点灯すれば、正しく電力が供給されている証です。
対処法③:BIOS設定を確認する
電源を入れた直後に、BIOSにアクセスするためのキー(例: Del、F2)を押します。BIOS設定が正しく設定されているか、特にブート順序が正しいかを確認しましょう。ただし、設定を誤ると、パソコンが起動しなくなる可能性があるので、ご注意ください。
BIOSのアクセス方法は次の通りです。
- パソコンの電源を完全に切る。
- 電源ボタンを押し、すぐにBIOS設定画面に入るためのキーを押し続ける。
- 使用するパソコンメーカーやモデルによって、必要なキーは異なります。一般的なキーは以下の通りです。
- Delキー
- F2キー
- F10キー
- Escキー
- BIOS設定画面が表示されたら、以下の項目を確認します。
主な確認項目は次の通り。
- Boot Order(ブート順序)
- 1番目に起動したいドライブが選択されていることを確認します。
- 一般的には、UEFIの場合は「Windows Boot Manager」、MBRの場合は「OS起動ドライブ」を選択する必要があります。
- Secure Boot(セキュアブート)
- Windows 11を使用する場合は、有効になっている必要があります。
- CSM(Compatibility Support Module)
- 古いOSを使用する場合は、有効になっている必要があります。
- Fast Boot(高速起動)
- 起動時間を短縮したい場合は、有効にできます。
- ただし、問題が発生する場合もあるので、無効にすることもできます。
設定変更方法は次の通りです。
- 設定項目を選択して、方向キーで値を変更します。
- Enterキーを押すと、変更が保存されます。
- F10キーを押すと、BIOS設定画面を終了します。
対処法④:周辺機器をすべて取り外す
記憶媒体などの周辺機器の不具合が原因となって、起動できない可能性があります。電源ボタンを長押しして、パソコンを強制終了した後、周辺機器をすべて取り出してから再度電源を入れて起動するか試してみましょう。
対処法⑤:モニターを確認する
モニターの不具合が原因となって、起動できない可能性があります。別のモニターを付けてみたり、外部モニターに接続してみたりして、モニターに問題がないか確認しましょう。
対処法⑥:放電を行う
パソコンの電源が切れていることを確認し、ACアダプター、バッテリーなど全ての周辺機器を取り外し、10分以上放置します。
放電後、もとに戻して正常に作用するか確認します。
対処法⑦:セーフモードで起動してみる
Windowsの場合、セーフモードで起動してみることで、最小限のドライバとプログラムのみでシステムを起動できます。これにより、ソフトウェア関連の問題を切り分けることができます。
セーフモード起動方法(Windowsの場合)は次の通りです。
- パソコンを再起動します。
- Windowsロゴが表示されたら、Shiftキーを押し続けます。
- オプションの選択画面が表示されたら、トラブルシューティング > 詳細オプション > スタートアップ設定 > 再起動を選択します。
- 再起動後に、スタートアップ設定画面が表示されます。
- セーフモードまたはセーフモードとネットワークを選択して、Enterキーを押します。
ただし、セーフモードで問題が解決しない場合、ハードウェアに物理的な故障が発生している可能性があります。
この場合、自力での対応が困難ですので、データを確実に復旧したい場合は、実績が豊富なデータ復旧業者に依頼することを推奨します。経験豊富なデータ復旧専門業者は、過去の実績と専門知識を活用して、迅速かつ正確に障害を診断することができ、復旧率を最大限に高めることが可能です。
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対処法⑧:OSを再インストールする
他の対処法で問題が解決しない場合、オペレーティングシステム(OS)を再インストールすることが最終手段となります。システム上の故障(論理障害)はこれで解決しますが、ハードウェアの故障は解決できないので注意が必要です。
注意事項は次の通りです。
- 再インストールを行うと、パソコン上のすべてのデータが消去される
- 再インストール前に、必ずバックアップを取る
- ハードウェアの故障が原因で問題が発生している場合は、再インストールしても問題は解決しない
- 不安な場合は、データの要不要に応じて専門家に相談することが推奨される。
データ復旧会社を選ぶポイントは、以下の記事で詳しく解説しています。
パソコンが黒い画面で起動しないときの注意点
パソコンが起動しないと色々試して、復旧を試みようとすると思います。
しかし、良かれと思って行っていることがパソコンに無理な負荷をかけ、より状態が悪化する可能性があります。
そこで、画面が暗いまま起動しなくなった際に気を付けてほしい以下のポイントをご紹介します。
- 短時間に何度も再起動や強制終了はなしない
- データはバックアップを取る
- 操作は最小限にする
1つ1つ確認していきましょう。
短時間に何度も再起動や強制終了はなしない
再起動や強制終了等の操作をする人もいると思いますが、何度も行わないでください。ハードディスクへの負担が大きく、パソコンの故障の原因にもなります。また、データの破損やシステムの不具合が発生する可能性もあるため、何度も再起動や強制終了行わないようにしましょう。
データはバックアップを取る
パソコンの不具合が起きる前から心がげておきたいことですが、もしまだ操作できる状態であれば、重要なデータだけでもバックアップを取りましょう。修復時にパソコンや外部記憶装置のデータが消失・破損する恐れがあるためです。
操作は最小限にする
再起動や強制終了を短期間に行うのはよくないとお伝えしましたが、それ以外の操作も最小限にしましょう。
こちらも先ほど同様に、データを破損させてしまう恐れがあるためです。
パソコンを復旧させるために色々といじって、復旧業者に頼むころにはデータを復旧できる可能性が減る、部品に不具合が起きてしまうこともよくあります。
こうなるとデータ復旧の難易度が上がる可能性があります。
問題が解決しない場合は専門業者に相談する
これまでの対処法で解決できない場合、PCを物理的に構成しているハードウェア部品に「物理的な障害」が発生していると考えられます。特にPCに内蔵されているストレージ(HDD/SSD)の寿命は、3〜5年程度と言われています。
経年劣化が原因で、PCが物理的に壊れてしまうことは、決して珍しくありません。ハードウェアの故障は個人では対応できないため、早急に専門業者まで相談することをおすすめします。
専門業者には、大きく分けて「データ復旧サービス」と「メーカー修理サービス」の2つに分かれます。
データが必要な場合
データ復旧サービスは、故障したストレージからデータを復旧するサービスです。データ復旧専門業者に依頼することで、高度な技術を使ってデータを復元することができます。
データが必要ない場合
データは不要で、本体や機器自体を修理したい方は、メーカーや修理業者に依頼することをおすすめします。事前に機器の保証期間や費用面を調べてから、最適な修理業者を選びましょう。
ただしメーカー修理サービスは、パソコンメーカーに修理を依頼するサービスであり、この時にデータは「初期化」されるため、保存していた写真や動画などは消えてしまいます。
大切なデータが機器に保存されている場合は、必ずデータ復旧会社に相談するようにしましょう。
とくに無料で初期診断を受け付けている専門業者もあるので、一度業者に相談することをおすすめします。
おすすめのデータ復旧専門業者
技術力が高い業者の選定といっても、素人には判断が難しいです。
そこで、データ復旧サービス各社の価格、内容(対応製品)、期間や特長から比較した、おすすめのサービスを紹介します。
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対応製品 | パソコン(Mac/Windows)、RAID機器(NAS/サーバー)、外付けHDD、SSD、USBメモリ、ビデオカメラ、SDカード・レコーダー等記憶媒体全般 |
復旧期間 | 最短当日に復旧完了(本社へ持ち込む場合) 約80%が48時間以内に復旧完了 |
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まとめ
今回は、パソコンの画面が暗く起動しない時の対処方法をご紹介しました。
まずは個人でできる対処方法を試してみましょう。
それでもなお起動しない、画面が暗いままな場合は、適切な専門業者まで相談されることをおすすめします。
大切なデータを保管している方は「データ復旧業者」、機械自体を修復したい場合は「メーカーや修理業者」へご相談されることをおすすめします。