VMware、VirtualBoxなどを使用した仮想マシンのデータ復旧方法について徹底解説!|サイバーセキュリティ.com

VMware、VirtualBoxなどを使用した仮想マシンのデータ復旧方法について徹底解説!



近年システムの仮想化の技術が進歩しており、多くの企業でも仮想マシンや仮想サーバなどが使用され、コスト削減や効率性向上の役割を果たしています。しかし仮想マシンが故障したり、保存データが突然消えてしまった際には、業務に支障が出るなど、その影響の大きさは計り知れません。

故障時に誤った対処法を行ってしまうと、仮想マシンのデータが正確に復旧できなくなるだけではなく、ハードウェアにも障害が併発して、データ復旧がより困難となってしまうリスクもあります。

では、仮想マシンが故障した場合、どのような対応を行わなければいけないのでしょうか。今回の記事では仮想サーバやコンピューター上に構成された仮想マシン内にあるデータを復旧する方法について徹底解説していきます。

仮想化環境とは?

仮想環境とは、パソコンやサーバなどのハードウェア上に作られた、「実際に物理的には存在していない仮想のシステム環境」のことを指しています。物理的に存在するハードウェア上に、論理的に構成された仮想のシステム(サーバやコンピューター)を複数作り出すことで、1台のハードウェア上で複数のシステムを運用させることが可能となるのです。

仮想環境下では、一台のサーバ上に仮想サーバを複数増設したり、1台のパソコン上で仮想化ソフトウェアを使用し、仮想マシンを構成することもできます。

仮想マシンとソフトウェアの種類

仮想環境に構成することができるマシンの種類と、仮想化によく使用されるソフトウェアの種類についてご紹介します。

ホスト型仮想マシン

物理ハードウェア上にWndows・MacOS・LinuxなどのOS(ホストOS)をインストールしている状態で、そのホストOS上に仮想化ソフトウェアをアプリケーションとしてインストールし、構成された仮想マシンのことを指します。普通のアプリケーションのように手軽にインストールできる点から、様々な仮想環境を試しやすいため法人のシステム開発者に使用されることが多いです。通常アプリと同じように、物理ハードウェアのOS上から仮想マシンの削除できるため、誤って消去すると仮想環境下の保存していたデータも削除されてしまいます。

よく使用されている仮想化ソフトウェアは下記の通りです。

  • VMware WorkstationPlayer /Fusion
  • Microsoft Virtual PC
  • Oracle VirtualBox
  • Parallels Desktop など

ハイパーバイザー型仮想マシン

ハイパーバイザー型仮想マシン

物理ハードウェア上に直接ハイパーバイザーと呼ばれる仮想ソフトをインストールして、その上に構成された仮想マシンのことを指します。ホストOSがないため、パフォーマンスがOSに左右されることがなく、直接ハードウェアを制御できるため、複数の仮想マシンを効率よく稼働させることができます。

よく使用されている仮想化ソフトウェアは下記の通りです。

  • VMware vSphere
  • Microsoft Hyper-V
  • Citrix XenServer など

仮想マシンの故障原因

仮想化ソフトウェアを使用した仮想マシン上で、発生しやすい故障原因を以下でご紹介します。

仮想マシン内での故障原因

VHDX(仮想ハードディスク/Virtual Hard Disk V2)の削除/破損

VHDXとは、仮想マシン上で使用できる論理的に構築されたハードディスクのことです。仮想ディスクが何かしらの原因で破損した場合、仮想マシンに保存されているデータにアクセスすることができなくなります。その他VHDXに関わる故障原因は以下の通りです。

  • VHDXのRAID構成の崩壊
  • VHDXを初期化してしまった
  • 仮想ディスクファイル(VMDKやVHDXファイル)が破損している
  • 仮想ディスクファイルを誤って削除してしまった
  • スナップショット(一時的なバックアップ機能)のデータを誤って削除してしまった

そもそも仮想マシン内のどこに不具合が生じているかわからない状態で、起動し続けていると内部のシステムやハードウェアに障害が発生する可能性が考えられます。また、ハードウェアに障害を併発させてしまうリスクがあるため、障害箇所が不明な段階では復旧ソフト等を使用しないようにしましょう。

仮想マシンが起動しない・エラーが発生する

仮想マシンが起動しない場合、考えられる原因は以下の通りです。

仮想ソフトウェア上のトラブル
  • 仮想マシンの構成に不具合が生じている可能性(IPアドレスが異なっているなど)
  • セキュアブートが無効になっている
  • ゲストOSがアップデートされていない

上記のような症状が発生した場合、マシンの再起動や仮想化ソフトのアップデート・仮想化ソフトやゲストOSの再インストールなどを行う必要があります。

仮想マシン内のファイルシステム障害

仮想環境下にファイルが存在しているにも関わらず、マシンが起動しない場合、仮想マシン上のVHDXファイルやVMDKファイルのシステム・OSに障害が発生していることが考えられます。ファイルシステムが破損した状態では、仮想マシンが起動したとしてもデータにアクセスすることができません。

また、fschやchkdskなどのファイルシステム修復のコマンドやエラーチェックツールを使用すると、データが上書きされてしまう恐れがあります。誤ってご自身で修復作業を行わないように注意しましょう。

ホストハードウェアの故障

仮想化のベースとなっているサーバやパソコンなどのハードウェアに障害が発生するケースです。
仮想化のメリットは、一つのハードウェア上で複数台の仮想マシンを運用できる点にありますが、反対に物理環境では一つのハードウェアしか稼働していないため、その分ハードウェアにかかる負担は重くなります。そのため、ハードウェアの故障を引き起こす可能性も十分あり得るのです。

物理的な故障

  • ハードウェアが認識しない
  • 機器に物理的な衝撃が加わり破損した
  • ハードウェアを高温の環境に置いていた
  • 異音がする
  • 水没してしまった

論理的な故障

  • ハードウェアにアクセスできない
  • エラーメッセージが表示される
  • フォーマットや初期化を行った
  • 誤ってデータを削除してしまった
  • ハードウェアがウイルス感染した

ハードウェアの故障は、データの取り出しが不可能になる可能性があるだけでなく、仮想マシン内のデータにも影響が及びます。
少しでもおかしいと感じたらすぐに使用を中止することをおすすめします。

物理環境にあるサーバの不具合や復旧方法については下記のページで説明しています。

仮想マシンのデータ復旧方法

バックアップからリストア(復旧)する

仮想マシンのデータバックアップ方法はいくつか存在し、復旧方法も異なります。

エージェントレスバックアップから復旧する

エージェントレスバックアップとは、ホストハードウェアと連携し、仮想マシンをイメージファイルとして別の場所にバックアップする方法のことを指します。

仮想マシンをイメージファイルに変換してバックアップしているため、ハードウェア上からデータが消去された場合でも、バックアップ時の仮想マシンを復旧することが可能です。

仮想マシン上で行ったバックアップから復旧する

上記以外にも、通常のOSと同じように、ゲストOS上にバックアップソフトウェアをインストールし、バックアップを行う方法もあります。

バックアップされたデータは、物理ハードウェアで行うバックアップ同様、個々のファイルやフォルダ単位で保存することができます。これはゲストOSから見ると仮想マシン上のファイルも通常のものと同じ扱いとなっているためです。そのため、仮想マシン上で行ったバックアップからデータを取り出す際には、ファイル単位でデータ復旧を行うこともできます。

ハードウェア上から復旧する

仮想環境下ではなく、物理ハードウェア上にバックアップを取るという方法です。仮想マシンのイメージファイルを、ハードウェアのローカル上にバックアップを取っていれば、簡単にデータを復旧することができます。

しかしそのハードウェアが故障している場合はデータ復旧できないことがあります。また、何度も操作を繰り返すと、ハードウェアの故障を進行させてしまう恐れもあるため、注意しましょう。

スナップショットはバックアップではない!

スナップショットを行った時点のディレクトリ構成を保存することができる機能であり、誤って削除したり少し前のデータに戻したい時などに使用することができます。バックアップと少し似ていますが、スナップショットがバックアップと異なる点は、データの「一瞬」を切り取りイメージとして保存する機能である点でしょう。

スナップショットは、その時点でのデータがイメージファイルとして、同じストレージ内に保存されます。つまりハードディスクやVHDXが破損した場合、スナップショットからデータを復旧することができません

データ復旧専門業者に依頼する

バックアップをとっていない、またはバックアップにアクセスできないなど、個人でデータ復旧ができない場合は、データ復旧専門業者に依頼することをおすすめします。

基本的に仮想環境下のデータ復旧は、物理環境で動いている機器よりも難易度が高いです。それは仮想マシンのゲストOS構成や、内部のアプリケーションなどの情報を取得し解析したり、ハードウェアの部品交換などを行わなければならないためです。そのため、仮想マシンのデータ復旧には高い解析力技術力が必須なのです。

また、ゲストOSやVHD(仮想ハードディスク)などの仮想環境にアクセスするために、まずはホストOSやハードウェアを解析します。仮想マシンの復旧を行うまでに、様々な情報を取得し分析する工程があるため、通常の物理環境にある機器のデータ復旧方法よりも作業工程が多く、時間もかかってしまいます。

そのため、データ復旧業者に依頼する際には、高度な解析力・技術力を保有していることや、仮想マシンデータ復旧の実績の有無を確認することをおすすめします。

データ復旧サービスや業者に関しての詳細は以下のページで説明しています。

データ復旧業者で仮想マシンの復旧を行う際には、以下の流れで復旧が行われます。

  1. ハードウェアの故障原因を特定し、部品交換やファームウェア修復を行う
  2. ハードウェア上のバイナリデータを参照しながら、RAID情報を解析する
  3. 解析した情報をもとにRAID再構築を行う
  4. 再構築したRAIDから、VMDKファイルやVHDファイルを抽出する
  5. 仮想ファイルの障害箇所を特定し、修復作業を行う
  6. 修復されたファイルから、データを取り出す

仮想マシンのデータ復旧を行う際の注意点

データを確実に取り出すために、注意すべきポイントを以下でご紹介します。

  • 障害箇所が不明なまま、安易に復旧ソフトを使用しない
  • VHDをRAID構成している場合、リビルドを行わない
  • ハードウェアの電源を抜き差ししない
  • ハードウェアに何度も通電しない

特に、リビルドに失敗した場合、VHDXファイルやVMDKファイルが破損した状態でデータが上書きされてしまうため、元の状態に修復するのが非常に困難になってしまいます。

高い確率でデータ復旧を行うためには、早急な対応が必要です。どうすればいいのかわからない場合は、データ復旧業者の初期診断を有効活用するのも一つの手でしょう。

おすすめデータ復元サービス・製品

先述した通り、仮想マシンのデータ復旧には高い技術力が必要であり、対応できる復旧業者はまだまだ少ない状況にあります。
技術力の低い業者への依頼には、障害の悪化のリスクがあるため注意が必要です。

そこで、仮想マシンのデータ復旧でも問題なく対応可能な復旧事例や技術力を有する業者をいかに紹介していきます。

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デジタルデータリカバリー


サイトデジタルデータリカバリー
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また、技術力の他に復旧スピードも非常に速く、最短当日かつ約80%が48時間以内に復旧されるというのも大きな魅力です。料金体系は成功報酬制が採用されており、診断・見積りも無料で行えるため、まずは最大手のデジタルデータリカバリーへの問合せをおすすめします。

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内容(対応製品) RAID機器(NAS/サーバー)、ハードディスク(パソコン)、外付けHDD、USBメモリ、ビデオカメラ、SSD、SDカード・MSDカードなど
期間 最短当日(持ち込みの場合)
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データリカバリーサービス


サイトデータリカバリーサービス
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まとめ

仮想環境や仮想マシンについて解説しました。

仮想化は、コスト削減や効率性向上を実現させる非常な機能ですが、同時にハードウェアへの負荷も大きくなってしまいます。対策方法としては仮想マシンのバックアップを確実に取得しておくことですが、精密機械の故障はいつ発生するかもわかりません

仮想マシンのデータ復旧にはスピーディーな対応が不可欠です。
仮想マシンの復旧やデータを確実に取り出したい場合は、データ復旧業者に相談することをお勧めします。

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