【横領発覚時の事後対応】横領・着服を証明する証拠の調査方法や裁判利用をするには|サイバーセキュリティ.com

【横領発覚時の事後対応】横領・着服を証明する証拠の調査方法や裁判利用をするには



企業の従業員が横領をした場合、何らかの処分をするには、事前に十分な調査や事情聴取をして、横領の有無や被害金額を確定することが最も重要になります

しかし、デジタル化が進みゆく昨今において横領の手口や証拠の種類は多様化しており、「証拠隠滅」「証拠不十分」「証拠がない」といった問題が発生しています。今回はそういった問題にも対応できる証拠調査の方法や、横領・着服発覚時の事後対応全般について解説していきます。

横領罪とは

横領罪は以下の3つに分けることができます。この記事では特に業務上横領罪について解説していきますが、その他の横領罪についても説明します。

3つの横領罪

業務上横領罪

業務上横領罪は、業務上自己が占有する他人(会社)の所有物を横領した場合に成立する犯罪です。

業務として所有している他者の財産を横領した時に問われる罪(刑法253条)

(例)経理担当が会社のお金を自身の口座に入金していた。など

遺失物横領罪

落とし物など、他者の手から離れた財産を横領した時に問われる罪(刑法254条)

(例)電車の中に落ちていたスマホを売却した。道に落ちていた財布をそのまま自分のものにした。など

単純横領罪

委託を受けて自身が所有している他者の財産を横領した時に問われる罪(刑法252条)

(例)他人から保管してほしいと頼まれたお金を、自分のために使用してしまった。など

横領をしてしまう人の特徴

不正のトライアングル

横領などの社内不正を図ろうとする人の心理的なメカニズムは、不正のトライアングルの要素がある環境が影響していると考えられています。

不正のトライアングルとは、「金銭に困っている」など、不正を働く動機を持っていて、業務上横領が可能な立場にいる環境や機会があると、「不正を働いてもいいのではないか」と自らの行動を正当化する考え方に陥ってしまうというものです。

不正のトライアングルについてや、社内不正についての詳細は以下のページをご覧ください。

横領を証明するために必要な証拠とは?

社員の横領を決定づけるためにどのような証拠が必要となるのでしょうか?

紙媒体の資料

  • 伝票
  • 領収書
  • 帳簿
  • 社員のメモ帳 など

デジタル機器やデータ

  • スマホ
  • パソコン
  • 監視カメラの映像
  • Excelなどの文書
  • 写真・動画 など

デジタル機器やデータを証拠とする場合の注意点

近年IT化が進んでおり、法廷で提出されるデータもデジタル化しています。近年ではデジタル証拠とも呼ばれており、証拠能力を持たせたデジタルデータを裁判に提出することができます。しかしデジタルデータを証拠として使用する際には注意しなければならないポイントがあります。

データが改ざん・修正されていないことを証明する必要がある

裁判に提出する証拠が改ざん・修正されていないことを証明する作業を証拠保全といいます。
詳しくは下の画像をご覧ください。

簡単に削除できてしまう

デジタルデータは簡単に内容を操作することができてしまうので、データを改ざん・修正・削除されてしまう可能性があります。削除データの復旧対応については以下のページを参照してください。

横領発覚時にやってはいけないこと

証拠が不十分の状態で社員を解雇する

横領の事実が不明確な段階で社員を疑う行為は、リスクを伴います。横領の証拠や確証がないまま懲戒処分の対応をしたり、損害賠償を請求したりすると、社員側は「不当な対応であった」と主張することができます。実際に社員から「合意なく解雇された」と訴えられた会社側が、敗訴した例も少なくありません。

疑いのある社員を問い詰める

疑いのある社員を必要以上に問い詰める行為は控えましょう。行き過ぎた調査は逆効果であり、疑いをかけられた社員は、焦って証拠となり得る重要な資料を隠蔽する可能性があります。

隠蔽された証拠の再提出を強要することは難しく、横領の事実を裏付けることが不可能となってしまいます。社内不正の調査は慎重に行わなければならないのです。

証拠をそのまま放置する

どのような資料やデータが証拠として使用できるかわからず、そのまま放置することもしないようにしましょう。重要な資料・データにも関わらず、証拠能力を持たせることができないまま放っておくと、疑いのある社員に隠蔽・改ざんされる恐れがあります。

横領の調査方法について

弁護士に相談する

証拠の収集と同時並行で弁護士に相談することをおすすめします。業務上横領罪の場合、確実な証拠がないと警察は動かないことがほとんどです。また横領の事案は手続きが複雑なため、近くの警察署で被害届を出すことはできず、被害を警察に申告するまで時間がかかってしまいます。また、横領についての知識がない状態で、弁護士に頼まず調査を進めることはなかなか困難でしょう。

社内不正や横領など法人向けの弁護士事務所に相談することで、的確な対応方法についてのアドバイスをもらえるはずです。

フォレンジック調査を行う

フォレンジック調査とは、犯罪の調査における法的証拠の収集を行う鑑識・調査のことを指しています。特に横領の調査で活用できるのはコンピューターフォレンジックと呼ばれる調査方法で、パソコンやスマホなどのデジタル機器を調査します。意図的に削除されたデータの解析や、アクセスログ分析を行い、横領の証拠を裁判に提出することができます。
横領の証拠を隠蔽するために、削除されたパソコンのアクセス履歴や、監視カメラの映像データなども、調査することが可能です。

フォレンジック調査についてや、おすすめの業者について、詳細は下記のページで解説しています。

おすすめの専門業者

横領・着服の証拠調査を対応しているおすすめの専門業者として「デジタルデータフォレンジック」を紹介します。

デジタルデータフォレンジック


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デジタルデータフォレンジックは11年連続国内売上No.1のデータ復旧業者が提供するデジタルフォレンジックサービスです。

警視庁からの捜査依頼実績も多数あることから、実績面でも信頼ができます。横領や着服以外にも、退職者の情報持ち出しや労働問題などの法人の社内不正調査を幅広く対応している汎用性の高い業者です。

費用 電話かメールにてお見積り
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まとめ

いかがだったでしょうか。

横領は証拠が十分に用意できないと立証が難しいとされています。資料やデータに証拠能力を持たせるために、弁護士事務所やフォレンジック調査を有効活用することをおすすめします。会社の財産や他の社員をを守るために、的確な対応ができるようにしましょう。

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