
パソコンの作業中に、画面が急に固まってしまう状態を「フリーズ」といいます。パソコンがフリーズを起こした時、しばしば電源ボタンを長押しする「強制シャットダウン」を繰り返しがちですが、これはパソコンにかける負荷も大きく、最悪の場合データが消えてしまう可能性もあります。
そこで、今回はMac搭載のパソコンがフリーズしてしまった際の適切な対処法や注意点などを徹底解説していきます。
Macでフリーズする原因
Macでフリーズする原因としては「ハードウェア」か「ソフトウェア」のどちらかに問題が起きていることが疑われます。
- ハードウェア…パソコン本体の機器のこと
- ソフトウェア…Windowsなどのコンピューターに命令を出すプログラムのこと
どちらかの問題について特定するためには、Macに標準搭載されている「セーフモード」を使用することで、検討を付けられるほか、メンテナンスを簡単に行うことが出来ます。
たとえば「セーフモード」でも「フリーズを起こした場合」は「ハードウェア」に、一方で「フリーズを起こさなかった場合」は「ソフトウェア」に問題がある可能性が高くなります。
なお、Macのフリーズには「フリーズ」と「ハングアップ」の2種類があります。
- フリーズ…しばらく待機すると回復する
- ハングアップ…待機しても回復の見込みがなく、強制終了か再起動を試す必要がある
なお、Macでセーフモードを呼び出すには、起動後にshiftキーを押し続けてからログインしてください(セーフモードが起動すると、画面の右上に「セーフモード」と表示されます)。
ハードウェアに問題が発生している場合
これは「ハードディスクの破損」「経年劣化」「熱暴走」「メモリ不足」「起動時に必要な情報を記憶しておくメモリの不具合」などが原因で、たとえば、特定のアプリの操作に関係なく、フリーズが頻繁に起こる場合は、こちらを疑う必要があります。
なお、このような状況でパソコンを使い続けるとハードディスクがクラッシュを起こし、保存されたデータが消失してしまう恐れがあります。
この場合、作業や通電を続けたり、個人で問題を対処しようとするのは避けてください。状態が悪化する恐れがあるため、データの要不要に応じて専門業者に依頼するようにしましょう。
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ソフトウェアに問題が発生している場合
これはパソコンのスペック不足などが原因でソフトウェアの動作に遅延が生じた状態です。たとえばソフトウェアがフリーズを起こす具体的条件としては下記の例が挙げられます。
- いくつものタブを開いている
- メモリを大量に使用するアプリケーション(動画編集ソフトなど)を使用する
- 数万行もあるExcelデータを開く
- Macのアップグレードに不具合がある
- 『○○○は応答していません』というエラーメッセージが表示される
いずれも特定のアプリケーションを使用中に起こりやすいとされています。
Macがフリーズした際にまず試すべき3つの対処法
Macがフリーズした際にまず試すべき3つの対処法を紹介します。
パソコンが不安定な状態で強制終了や再起動を行うと、負荷をかけてしまいます。そのため、再起動や強制終了をする前にこちらの対処法を試してみましょう。
スリープにしてしばらく待つ
フリーズしている場合は、システムの処理が追い付いていない可能性が高いです。
スリープ状態にしてしばらく放置することで、解決することが多いです。
ノートパソコンの場合、画面を伏せて閉じるとスリープ状態になります。処理が落ち着くと、本体のアクセスランプが消えます。処理が終了したらスリープを解除し、正常に動作するか確認しましょう。
アプリを強制終了する
アプリ画面がフリーズしていても、キーボードやマウスが動く場合には、起動しているアプリを強制終了することで解決できることがあります。
ですが、アプリを強制終了すると、保存していないデータは失われてしまうため、まずは正しい終了方法から試してください。
アプリを終了させることでフリーズが解決する場合は、使用していたアプリの不具合または負荷の高い作業が考えられます。アプリの再インストールや、パソコンのスペックが足りているかの確認をしましょう。
再起動する
パソコンを再起動することは、フリーズなどのトラブルを解決するのに有効な手段です。
複数の方法がありますが、できるだけパソコンに負荷がかからない方法から試しましょう。
また、作業中のデータは、再起動すると保存されない点に注意しましょう。
パソコンのシステム自体に問題が起きていなければ、直ぐに再起動が始まります。ですが、フリーズによって負荷が高い状態の場合は、再起動に時間がかかります。
しばらく待っても再起動できない場合には、強制再起動を行いましょう。
ハードウェアに問題が発生している場合の対処法
パソコン(PC)に問題が発生している場合
「パソコンのメモリが不足しています」と表示される
これは文字通り、パソコンのメモリが不足しているときに表示されます。たとえばメモリが不足している時に「複数のアプリケーションを同時に起動」したり、あるいは「プリンターやスキャナーなど周辺機器を接続」したりすると、フリーズを起こす可能性が高まります。
対処法としては「仮想メモリ」を正しく設定するか「物理メモリ」を増設して、アプリや周辺機器の「動作環境」を満たすことが推奨されます。
ハードディスク(HDD)に問題が発生している場合
これはPC内のハードディスクに物理的な問題が生じている状態です。主な原因としては「経年劣化」や「物理的衝撃」などが挙げられます。
症状としては、たとえば頻繁にフリーズを繰り返したり、カチカチ・カタカタと異音がするなど、明確な異常が見受けられることが多くあります。また、さらに症状が進行すると、パソコンが正常に起動・動作しなくなり、データが取り出せなくなってしまう恐れがあります。
このようなハードウェアの障害は「物理障害」と呼ばれており、復旧難易度も高いため、個人で修復することは基本的に出来ません(つまり個人で対処出来る抜本的な解決策はありません)。
予防策としては常日頃から「バックアップ」を取っておくほか、Macに標準搭載されているハードウェアの問題を検出するツール「Apple Diagnostics」で確認することが大切です。
もしフリーズを起こして正常に起動しなくなったパソコンから「データ復旧」を希望される方はデータ復旧会社に相談し、データ不要で「パソコン修理」を希望される方は、パソコン修理業者やパソコンの買い替えなどを検討してください。
ソフトウェアに問題が発生している場合の対処法
Mac(OS)の問題
メモリに問題がある場合
Macには「PRAM」や「NVRAM」など起動時に必要な情報を記憶した小型メモリがあり、これをリセットすると不具合が解消される場合があります。
リセットするには、Mac をシステム終了したのち、起動後すぐ【option】【command】【P】【R】のキーをApple ロゴが表示されるまで20秒ほど同時に押してください。
SMCに不具合がある場合
SMC(System Management Controller)とは電源、バッテリー、センサーなどを管理しているMacの機能です。もしここに不具合がある場合は、フリーズにつながることがあるため、まず一度この部分をリセットしてみましょう。
なお、現行モデルではシステム終了後、電源ボタンを10秒ほど長押しすることでリセットできます。
セーフモードで起動して検査する
WindowsのようにMacにも「セーフモード」があり、システムが起動する最小限のファイルだけを読み込んで動作します。
セーフモードは、起動時に「Shiftキー」を押しっぱなしにすることで切り替えることができます。
また、Macでは「First Aid」という、自動的に起動してシステムの入ったドライブの問題を検査し、修復してくれる機能があります。
First Aidは「ディスクユーティリティ」に入っています。ですが、通常の起動状態では修復作業によってフリーズする恐れがあるため、セーフモード起動時に行いましょう。
起動ディスクの修復を行う
First Aidでも不具合が解決しない場合は、「MacOS復元機能」を使用してドライブの不具合を修復できます。
MacOS復元を起動するには、Macの電源を入れた直後に「command」と「R」の2つのキーを押し続け、パスワードが求められたら入力します。
「Time Machineから復元する」を利用し、正常に使用できていた日付を選んで修復しましょう。
Time Machineから復元するを利用しても解決しない場合は、「MacOSを再インストール」することを検討しましょう。
ですが、ドライブに問題があると保存しているデータを失う恐れがあるため、データを失いたくない時は、データ復旧の専門業者に相談しましょう。
アプリケーションの問題
特定のアプリケーションに原因がある場合
アプリケーションの動作に遅延が生じている場合は、しばらく待機して、それでも解消されない場合はアプリケーションを強制終了しましょう。
なお、マウスが動かずキーボードのみが動く場合は【command】+【option】+【esc】からフリーズしているアプリを選択し、強制終了してください。
ちなみに、動作環境を満たしているにも関わらず、特定のアプリがフリーズを繰り返す際は、アプリが「バグ」を起こしていたり「古いバージョン」を使用しているシチュエーションが考えられるため、最新バージョンのアプリを再インストールすることをおすすめします。
Macでのフリーズを対処する際の注意点
個人で対処することのリスク
フリーズが発生する要因は、ご利用のパソコン環境によって様々ですが、フリーズが一瞬で解消するような場合は、そこまで深刻な問題が生じているわけではありません。
しかし「応答なし」と頻繁に表示され、フリーズを繰り返す、いつまでもアクセスランプが消灯しないなど、明らかな異常が疑われる場合は、HDDに深刻な障害が発生している恐れがあります。このような場合、上記で紹介してきた対処法や強制シャットダウンを試すと、障害が悪化する危険性があり、データ消失やクラッシュなど、多かれ少なかれリスクも必ず伴います。
ちなみにHDDの障害原因は自己判断で特定できるものではなく、障害が併発している恐れもあるため、まずは無料の初期診断を受けるのをおすすめします。
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「パソコン修理」と「データ復旧」の違い
パソコンがフリーズを繰り返し、「大事なデータを取り出せなくなった」とお困りの方は、メーカーなどに修理依頼を出すのは避けてください。なぜなら、修理時に内蔵ハードディスクやSSDが交換されると、保存されていたデータは完全に消滅してしまうからです。以下のような手順で相談先を検討しましょう。
もし、フリーズして動作しなくなったパソコンからデータを取り出したい方は、データ復旧業者をお選びいただき、データ不要でパソコンの動作自体を改善したいという方は、メーカーや修理業者にご相談してください。
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まとめ
ここまでMacのフリーズ原因や、その対処法などを紹介してきました。フリーズ現象は、パソコンを使用する人が一度は経験する最もごくありふれたエラーですが、正しい対処法に関しては、あまり知られていません。
また、フリーズした際にやりがちな「強制シャットダウン」は、ハードディスクの寿命を縮め、データ消失やクラッシュの原因となる恐れがあります(なお「強制シャットダウン」は最終手段であり、自己責任の上で実行してください)。つまり、実際にエラーに遭遇した時のために、正しい知識と対処法をあらかじめ身に着けておくことが何より大切になります。
また、いざという時のためにデータのバックアップはこまめにとるようにしておきましょう。