
PSIRT(Product Security Incident Response Team:製品セキュリティインシデント対応チーム) は、製品のセキュリティインシデントに対応する専門チーム です。特にソフトウェア・ハードウェア製品を提供する企業にとって、PSIRTの設立・運用は不可欠 です。
本記事では、PSIRTの概要、役割、CSIRTとの違い、構築方法、企業のPSIRT事例、導入メリット について詳しく解説します。
PSIRTとは?
PSIRT(Product Security Incident Response Team)の定義
PSIRTとは、自社製品のセキュリティ脆弱性を管理し、インシデント発生時に対応するチーム です。
ソフトウェア・ハードウェア製品の開発・販売を行う企業が、製品のセキュリティインシデント(脆弱性発見・サイバー攻撃・ゼロデイ攻撃など)に対応し、影響を最小限に抑えるために設置 します。
✅ 製品の脆弱性を特定・管理し、迅速に対応
✅ 脆弱性情報の公開・パッチリリース・顧客への通知を行う
✅ 外部のセキュリティ研究者・CERT機関と連携し、対策を強化
PSIRTは「製品のセキュリティ」に特化したインシデント対応チーム!
PSIRTの役割
PSIRTの主な役割は、製品に関連するセキュリティインシデントを管理・対応し、顧客や関係者への影響を最小限に抑えること です。
PSIRTの主要な業務
業務カテゴリ | 具体的な活動 |
---|---|
脆弱性管理 | 製品のセキュリティ脆弱性を特定・評価・修正 |
インシデント対応 | 製品のセキュリティ問題(ゼロデイ攻撃・脆弱性悪用)に迅速対応 |
パッチ・アップデート提供 | 修正パッチの開発・配布、セキュリティアップデート管理 |
脆弱性情報の公開 | CVE(Common Vulnerabilities and Exposures)登録・脆弱性情報の公開 |
顧客・関係者との連携 | 顧客・ベンダー・研究者・CERT機関との情報共有 |
脆弱性開示プロセス管理(CVD) | 製品の脆弱性を適切に報告・修正・開示するプロセスの管理 |
✅ PSIRTは「製品のセキュリティ対応」を専門的に行うチーム!
PSIRTとCSIRTの違い
PSIRTとよく比較されるのがCSIRT(Computer Security Incident Response Team) ですが、目的や対応範囲が異なります。
PSIRTとCSIRTの違い
比較項目 | PSIRT(製品セキュリティ) | CSIRT(企業の情報セキュリティ) |
---|---|---|
対象範囲 | 自社の製品・サービス | 企業のネットワーク・システム・従業員 |
対応するインシデント | 製品の脆弱性、ゼロデイ攻撃、パッチ管理 | マルウェア感染、フィッシング攻撃、データ漏洩 |
関係者 | 製品ユーザー、研究者、CERT機関 | 社内IT部門、経営層、外部セキュリティ機関 |
対応プロセス | 脆弱性報告 → 修正 → パッチ公開 | 侵害検知 → 封じ込め → 復旧 |
✅ PSIRTは「製品のセキュリティ」、CSIRTは「企業の情報システム」を守る役割!
PSIRTの構築方法
PSIRTを構築するには、脆弱性管理プロセスの確立・インシデント対応フローの整備・関係者との連携 が重要です。
PSIRTの構築ステップ
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PSIRTの設立計画を策定
- 目的・役割・組織体制を定義
- 既存のCSIRTやSOC(Security Operation Center)との連携を検討
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脆弱性管理プロセスを確立
- CVSS(Common Vulnerability Scoring System)を活用し、脆弱性のリスク評価
- 脆弱性開示ポリシー(CVD:Coordinated Vulnerability Disclosure)を策定
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インシデント対応フローを構築
- 脆弱性報告 → 調査・修正 → パッチ提供 → 公開プロセスを確立
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社内外の関係者との連携
- セキュリティ研究者・CVE管理機関(MITRE)・JPCERT/CCと協力
- 顧客やパートナー企業への脆弱性情報提供体制を整備
✅ PSIRTの設立には、インシデント対応プロセスと脆弱性管理体制の確立が重要!
企業のPSIRT事例
国内外のPSIRT導入企業の例
企業名 | PSIRTの取り組み |
---|---|
Microsoft | Microsoft Security Response Center(MSRC)を運営し、脆弱性対応・パッチ管理を実施 |
Cisco | Cisco PSIRTが製品の脆弱性を管理し、CVE情報を公開 |
ソニー | ソニーPSIRTが製品の脆弱性報告・対応プロセスを整備 |
トヨタ | トヨタグループのPSIRTが車載システムのセキュリティリスクを管理 |
パナソニック | IoT機器のセキュリティ対策としてPSIRTを設立 |
✅ 大手企業はPSIRTを設立し、脆弱性管理とセキュリティ対策を強化!
まとめ
✅ PSIRT(Product Security Incident Response Team)は「製品のセキュリティインシデント対応チーム」!
✅ PSIRTは「脆弱性管理・インシデント対応・パッチ提供・情報公開」を担当!
✅ CSIRTとの違いは「対象が製品(PSIRT)」か「企業のシステム(CSIRT)」か!
✅ 企業のPSIRT導入事例では、Microsoft・Cisco・ソニーなどが積極的に運用!
✅ PSIRTを構築し、脆弱性管理とセキュリティ対応プロセスを強化することが重要!
今すぐPSIRTを構築し、自社の製品セキュリティを強化しましょう!