
脆弱性診断ツールとは、Webサイト、サーバー、ネットワーク、アプリケーションなどに潜むセキュリティの脆弱性を自動的に検出するツールです。
有料の診断サービスを利用すると数十万円~数百万円のコストがかかることがありますが、無料のツールでも基本的な診断を実施し、セキュリティリスクを事前に把握することが可能です。
本記事では、無料で利用できる脆弱性診断ツールの種類と特徴、活用方法、有料ツールとの違い を詳しく解説します。
目次
無料で使える脆弱性診断ツールの種類
無料の脆弱性診断ツールは、大きく 「Webアプリ診断」「ネットワーク診断」「クラウド診断」 の3つに分類できます。
診断種類 | 対象 | 代表的な無料ツール |
---|---|---|
Webアプリ診断 | Webサイト、ECサイト | OWASP ZAP、Nikto、Vega |
ネットワーク診断 | IPアドレス、サーバー | Nmap、OpenVAS、Shodan |
クラウド環境診断 | AWS、Azure、GCP | Prowler(AWS用)、ScoutSuite |
✅ 結論:無料ツールを使えば、基本的な脆弱性診断は可能!
おすすめの無料脆弱性診断ツール一覧(用途別)
① Webアプリケーション脆弱性診断ツール(SQLインジェクション、XSSなどの検出)
ツール名 | 特徴 | 対応OS |
---|---|---|
OWASP ZAP(Zed Attack Proxy) | OWASP提供の強力なWeb脆弱性診断ツール | Windows / Mac / Linux |
Nikto | Webサーバーのセキュリティ設定や脆弱性を診断 | Windows / Linux |
Vega | XSS、SQLインジェクション診断に特化 | Windows / Mac / Linux |
Burp Suite(無料版) | Webアプリのペネトレーションテストに活用 | Windows / Mac / Linux |
✅ 「手軽に使えるツールを探している」なら:OWASP ZAP がおすすめ!
② ネットワーク脆弱性診断ツール(サーバー・ポートスキャン)
ツール名 | 特徴 | 対応OS |
---|---|---|
Nmap(Network Mapper) | ポートスキャンやネットワーク構成を解析 | Windows / Mac / Linux |
OpenVAS(Greenbone) | 本格的なネットワーク脆弱性スキャナー | Linux |
Shodan | インターネット上の公開サーバーの脆弱性をチェック | Webブラウザ |
✅ 「サーバーのセキュリティをチェックしたい」なら:Nmap や OpenVAS がおすすめ!
③ クラウド環境診断ツール(AWS、Azure、GCP向け)
ツール名 | 特徴 | 対応クラウド |
---|---|---|
Prowler | AWSのセキュリティ診断(CIS基準対応) | AWS |
ScoutSuite | AWS、Azure、GCPのセキュリティ設定を監査 | AWS / Azure / GCP |
CloudSploit | クラウド設定のミスをチェック | AWS |
✅ 「AWSのセキュリティを診断したい」なら:Prowler や ScoutSuite がおすすめ!
無料脆弱性診断ツールの活用方法(基本的な使い方)
① OWASP ZAP(Webアプリ診断)
- 公式サイト(https://www.zaproxy.org/) からダウンロード
- 対象のWebサイトURLを入力し、スキャン開始
- 診断結果(SQLインジェクション、XSS、脆弱なCookie設定など)を確認
② Nmap(ネットワーク診断)
- コマンドラインで簡単に実行
nmap -v -A <対象のIPアドレス>
- 開いているポートやサービスをチェックし、不要なポートを閉じる
③ Prowler(AWS環境の診断)
- AWS環境にProwlerをインストール
- CIS基準に基づいたセキュリティ診断を実行
prowler -M csv -o output.csv
- 診断レポートを確認し、設定ミスを修正
✅ 「簡単な脆弱性診断を自分で試してみたい」なら無料ツールを活用!
無料ツールと有料診断の違い(どこまで無料ツールで対応できる?)
無料ツールのメリット・デメリット
✅ メリット
- 完全無料 で利用できる
- 基本的な脆弱性(SQLインジェクション、XSS、オープンポートなど)の発見が可能
❌ デメリット
- 診断結果の正確性が低い(誤検知・見逃しの可能性あり)
- 診断後の対応(修正方法のアドバイス)がない
- 最新の攻撃手法には対応できないことがある
有料診断(プロによる脆弱性診断)との違い
項目 | 無料ツール | 有料診断 |
---|---|---|
診断の精度 | 基本的な脆弱性のみ | 最新の攻撃手法にも対応 |
診断後のレポート | 簡易的な出力のみ | 詳細な報告書(修正方法も含む) |
診断範囲 | 一部の脆弱性に限定 | 総合的な診断(手動チェックも含む) |
対応コスト | 完全無料 | 20万~100万円以上 |
✅ 「社内のセキュリティを強化したい」なら有料診断の導入も検討!
まとめ|無料ツールで基本診断→必要に応じて有料診断を検討
🔹 無料ツールでできること
✅ Webアプリの基本的な脆弱性診断:OWASP ZAP、Nikto
✅ ネットワークのオープンポート診断:Nmap、OpenVAS
✅ AWS・Azureの設定ミスチェック:Prowler、ScoutSuite
🔹 無料ツールでは不十分な場合
❌ 精度の高い診断が必要(最新の攻撃手法への対応)
❌ 診断後の具体的な修正アドバイスが必要
❌ 企業や顧客から正式なセキュリティレポートを求められる場合
→ この場合は「有料の脆弱性診断サービス」を検討するのがベスト!
✅ 結論:まずは無料ツールでセルフ診断し、不足があれば有料診断を検討しよう!
無料の脆弱性診断ツールを活用し、自社のセキュリティ状況を把握したうえで、必要に応じて専門の診断サービスを導入するのが最適な戦略です。
🔹 今すぐ無料ツールを試して、自社のセキュリティをチェックしてみましょう!