情報セキュリティポリシーの対策基準|策定ポイントと具体例|サイバーセキュリティ.com

情報セキュリティポリシーの対策基準|策定ポイントと具体例

情報セキュリティポリシーの「対策基準」とは、企業や組織が情報資産を適切に保護するために実施すべき具体的なセキュリティ対策を定めたルールのことです。
「基本方針」に基づき、アクセス管理やデータ保護、ネットワークセキュリティなど、各種対策の具体的な基準 を示します。

本記事では、情報セキュリティポリシーの対策基準の概要、主な項目、策定のポイント、具体例について詳しく解説します。

情報セキュリティポリシーの対策基準とは?

情報セキュリティポリシーの3層構造

情報セキュリティポリシーは、一般的に 「基本方針」「対策基準」「実施手順」 の3層構造で構成されます。

内容
基本方針(Security Policy) 情報セキュリティに関する組織全体の指針 「当社は、情報資産を適切に保護し、セキュリティ対策を徹底する」
対策基準(Security Standards) 基本方針を実現するための詳細なルール 「パスワードは12桁以上とし、定期的に変更する」
実施手順(Security Procedures) 対策基準を具体的に実行するためのマニュアル 「社員がPCを紛失した場合、30分以内に情報管理部門へ報告する」

対策基準は、基本方針を実現するための「ルール」 を明確にする役割を持ちます。

情報セキュリティポリシーの対策基準の主な項目

① アクセス管理

目的: 不正アクセスを防ぎ、機密情報へのアクセスを制限する。

対策項目 基準例
ID・パスワード管理 ・全社員に個別のIDを発行し、共有禁止
・パスワードは12桁以上、英数字・記号を含む
アクセス権限の設定 ・必要最小限の権限を付与(最小権限の原則)
多要素認証(MFA)の導入 ・クラウドシステム・VPNにはMFAを必須化

② データ管理と保護

目的: 機密情報の漏えいやデータの改ざんを防止する。

対策項目 基準例
データ暗号化 ・機密データはAES-256で暗号化
バックアップの取得 ・重要データは毎日バックアップし、異なる場所に保存
外部記憶媒体の利用制限 ・USBメモリの使用を禁止し、必要時は申請制

③ ネットワークセキュリティ

目的: 外部からの攻撃を防ぎ、安全な通信を確保する。

対策項目 基準例
ファイアウォールの設定 ・不要な通信ポートはすべて閉鎖
UTM(統合脅威管理)の導入 ・IPS/IDS機能を備えたUTMを設置
Wi-Fiセキュリティ対策 ・公共Wi-Fiの利用禁止
・社内Wi-FiはWPA3を使用

④ エンドポイントセキュリティ

目的: 端末をサイバー攻撃やウイルス感染から守る。

対策項目 基準例
アンチウイルス対策 ・全端末にウイルス対策ソフトをインストールし、最新の状態を維持
ソフトウェア更新(パッチ適用) ・OS/アプリケーションの更新を定期的に実施
デバイス管理 ・業務用PC・スマホはMDM(モバイルデバイス管理)で制御

⑤ メール・Webセキュリティ

目的: フィッシング詐欺やマルウェア感染を防止する。

対策項目 基準例
スパム・フィッシング対策 ・メールセキュリティシステム(DMARC、SPF、DKIM)を導入
Webフィルタリング ・不正サイト・マルウェア配布サイトへのアクセスを遮断
メール添付ファイルの制限 ・外部からの実行ファイル(.exe)の受信をブロック

⑥ インシデント対応

目的: セキュリティ事故発生時の迅速な対応を確保する。

対策項目 基準例
インシデント発生時の報告ルール ・30分以内に情報管理部門へ報告
フォレンジック調査 ・ログを保存し、調査に活用
BCP(事業継続計画)の策定 ・サイバー攻撃時の業務継続手順を定める

⑦ 従業員教育・内部監査

目的: セキュリティ意識を向上させ、ポリシーの遵守を徹底する。

対策項目 基準例
従業員向けセキュリティ研修 ・年1回以上、全社員にセキュリティ研修を実施
内部監査の実施 ・年2回、ポリシーの遵守状況をチェック
社内啓発活動 ・フィッシングメール訓練を定期的に実施

結論:企業の実態に合った対策基準を定め、運用ルールを明確化することが重要!

情報セキュリティポリシーの対策基準を策定するポイント

① 企業の規模・業種に合わせたルールを作成

  • 中小企業向け:簡潔で実行可能なルールを定める(IPAの「中小企業向けセキュリティ対策ガイドライン」を参考)
  • 大企業・グローバル企業向け:ISO27001やNIST CSFなどの国際基準に準拠

② 法令・ガイドラインを参考にする

  • 個人情報保護法(PPCガイドライン)
  • ISO/IEC 27001(ISMS)
  • NISTサイバーセキュリティフレームワーク(NIST CSF)

③ ルールを従業員に周知し、遵守を徹底

  • 情報セキュリティ研修を定期的に実施
  • ポスター・eラーニングなどで意識向上を図る

まとめ|情報セキュリティポリシーの対策基準を整備し、運用を強化しよう!

対策基準は、情報セキュリティポリシーを具体化し、組織全体のセキュリティ管理を徹底するためのルール。
アクセス管理、データ保護、ネットワークセキュリティ、インシデント対応など、包括的な基準を策定。
ガイドライン(ISO27001、NIST CSF)を参考にしつつ、自社に合ったルールを整備・運用する。

🔹 今すぐ自社の情報セキュリティポリシーを見直し、より強固なセキュリティ体制を構築しましょう!

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