不良セクターとは何か?発生原因と簡単にできる修復方法をわかりやすく解説|サイバーセキュリティ.com

不良セクターとは何か?発生原因と簡単にできる修復方法をわかりやすく解説

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不良セクタ(バッドセクタ)とは、ハードディスク(HDD)でデータの読み書きができなくなったセクタ(HDDのデータの最小単位)のことで、HDDの「物理障害」(機器の物理的な故障)の一種です。

不良セクターが広がると、読み込みエラーやフリーズなどのトラブルが頻繁に発生し、修復が難しい「重度物理障害」を引き起こす恐れがあります。最悪の場合、機器が完全に動作しなくなることもあります。

そこで今回は、不良セクタの原因や修復・復旧方法、さらにおすすめの業者の選び方について詳しく解説します。

不良セクタ(バッドセクタ)とは?

不良セクタとは、HDDにおいてデータを正常に読み書きできなくなったセクタのことを指します。

セクタとは、HDDのディスク上でデータを保存するための最小単位です。不良セクタが発生すると、その部分に保存されたデータが読み書きできなくなり、ファイルの破損やシステムエラーなど様々な問題を引き起こす可能性があります。

例えば不良セクタが発生すると、以下のような症状が現れることがあります。

  • パソコンの起動に時間がかかる
  • 頻繁にフリーズする
  • ブルースクリーンが表示される
  • 「要求されたセクタが見つかりません」「ドライブCの読み込みにエラーが発生しました」「フォーマットしてください」といったエラーメッセージが表示される
  • HDDから異音が聞こえる

これらのトラブルが頻発する場合、HDDは故障寸前です。データのバックアップを急ぎ、通電を控えましょう。ただし、不良セクタの症状は様々で、一概に特定の症状が出るとは限りません

問題を正確に特定できない状況で、不良セクタを自力で修復することは難しく、データ消失のリスクが高いため、専門のデータ復旧業者に対応を依頼することを強くおすすめします。

データ復旧業者を選ぶポイントについては以下の記事を参照してください。

不良セクタ(バッドセクタ)の修復方法

不良セクタの修復方法を3つ紹介します。

個人でも修復可能ですが、知識が必要で失敗するとデータを失うリスクがあります。重要なデータがある場合は、専門業者に依頼するのが最も安全です。

コマンドライン(CUI)で不良セクタを修復する

OSに搭載されている機能に、不良セクタを検出してマークし、データが消失する機能があります。

操作の手順は次の通りです。

コマンドライン(CUI)で不良セクタを修復する手順
  1. 「スタート」をクリックし、検索ボックスに「CMD」と入力する
  2. 検索結果から「コマンドプロンプト」を選択して右クリックし、「管理者として実行」で起動する
  3. コマンドプロンプトでコマンドを入力し、入力後に「Enterキー」を押す

コマンドは以下を入力してください。

コマンド 説明
sfc /scannow システムファイルチェッカー(SFC)を使って、Windowsのシステムファイルに破損や異常がないか確認し、修復を試みます。
chkdsk c: /f /r ディスクチェックユーティリティ(CHKDSK)を使って、ドライブCの不良セクタを検出し、可能な限り修復します。/f オプションでファイルシステムのエラーを修正し、/r オプションで不良セクタを検出してデータを回復します。
bootrec /fixmbr MBR(マスターブートレコード)のみを修復します。起動時の問題を解決するために使用されます。
bootrec /fixboot パーティションの先頭にあるブート情報を修復します。ブートセクタが破損している場合に有効です。
bootrec /scanos システムのブート可能なWindowsインストールをスキャンし、BCD(ブート構成データ)ストアに存在しないものを列挙します。
bootrec /rebuildbcd システムのブート可能なWindowsインストールをスキャンし、BCDストアに追加するかどうかの選択を促します。

Windowsのエラーチェックを使用する

まずはハードディスク(HDD)が故障した場合に、

Windowsには、HDD内の軽度な不良セクタを自動修復する「エラーチェック」というオプション機能があります。ただし、この方法は機器全体をオールスキャンする必要があるため、HDDに負荷をかけやすく、失敗するとHDD内のデータが消失してしまう可能性があります。あくまで操作は自己責任での実施となる点を了承し、実行しましょう。

操作の手順は次のとおりです。

Windowsのエラーチェックを使用する手順
  1. エクスプローラーを開きます。
  2. 対象のドライブ(例:Cドライブ)を右クリックし、「プロパティ」を選択します。
  3. 「ツール」タブをクリックします。
  4. 「エラーチェック」セクションで「チェック」ボタンをクリックします。
  5. 「ドライブのスキャンと修復」ウィンドウが表示されます。「ドライブのスキャン」をクリックします。
  6. スキャンが開始されます。問題が見つかった場合、修復するかどうか尋ねられます。
  7. 修復を選択すると、次回システム起動時にチェックディスク(CHKDSK)が実行されます。

注意点

スキャン中に異常な音や振動が発生した場合は、即座に中止してください。

また、修復できない不良セクタがある場合、そのセクタは「不良」としてマークされ、使用されなくなります。不良セクタが複数存在し、HDDの状態が悪化している場合、システムのエラーチェック機能では完全に修復できないことがあります。このような状況で無理に操作を続けると、さらに深刻な障害を引き起こし、データの復旧が困難になる可能性があります。

したがって、この方法で解決しない場合や、HDDに重要なデータが含まれている場合は、専門業者に相談することを強くおすすめします。

専門業者に依頼する

上記の対処法で問題が解決しない場合、HDDに代替処理が不可能なほど多数の不良セクタが発生している可能性があります。このようなケースでは、自力での再起動や自動修復を繰り返すことで、HDDのデータ記録面にさらなる負担をかけてしまい、物理的な損傷を引き起こすリスクがあります。最悪の場合、HDD自体が完全に壊れてしまい、重要なデータも失われる可能性があります

HDDの物理障害には「部品交換」や「ファームウェア修復」といった高度で専門的な作業が必要になります。

これらの作業は特殊な知識と設備が求められ、個人での修復やデータ復旧は非常に困難であり、事実上不可能です。自己流の対応を試みると、状況が悪化し、データの回復がさらに難しくなる恐れがあります。

そのため、不具合が発生した場合は、専門のデータ復旧業者に相談することが最も安全で確実な方法です。

不良セクタ(バッドセクタ)修復時の注意点

不良セクタ修復時は以下の点に注意しましょう。

不良セクタ(バッドセクタ)修復時の注意点
  • 過度な電源のオン/オフや再起動はNG
  • 個人で対処することのリスク
  • 修理業者と復旧業者は目的が異なる

過度な電源のオン/オフや再起動はNG

不良セクタが発生している状態で、電源のオン/オフや再起動を繰り返すのはやめましょう。エラー状態で通電を繰り返すと、不良セクタが拡大する恐れがあります。

また異音がするなどヘッド破損が疑われる状況で通電すると、データ記録面に傷(スクラッチ)が付きやすく、修復・復旧がきわめて困難になってしまいます。

個人で対処することのリスク

不良セクタを修復するWindowsのエラーチェック・自動修復の機能は非常に便利ですが、解消できるのは軽度の不良セクタのみです。

エラーチェックで不具合が改善しない場合は、重度の不良セクタが発生している可能性が高く、この状態でエラーチェックや市販の復旧ソフトでの修復を試すと、不良セクタの領域が拡大し、データの消失やヘッドクラッシュ(スクラッチ)など致命的な障害を引き起こす恐れがあります。

修理業者と復旧業者は目的が異なる

不良セクタの修復・復旧を業者に依頼する場合、最も注意すべき点は、機器に保存されている「データが必要か不要か」という点です。

もし、機器からデータを取り出したい方は、データ復旧業者をお選びいただき、データ不要で機器の動作そのものを改善したいという方は、メーカーや修理業者にご相談してください。

業者に修復・復旧を依頼する際は、データの要不要にあわせて、適切な業者を以下の通りに選びましょう。

  • データ不要で、機器自体の修理が必要な場合は、メーカーや修理業者に相談する。
  • データ復旧・復元が必要な場合は、技術力の高いデータ復旧業者に相談する。

機器内部のデータが不要な場合

保存されているデータよりも機器を正常に動作させることを目的としている方は、メーカーや修理業者に依頼することをおすすめします。なお修理業者に依頼する際は、事前に機器の保証期間や費用面を調べてから、最適な修理業者を選びましょう。

ちなみに不良セクタは発生すると必ず悪化するため、この種トラブルが出たHDDは正常なHDDに換装するのが安全です。ただし、換装を伴う修理は、あくまで「機器を使えるようにする」ことが目的なので、HDD内の「データ」は修理・換装時に初期化され、工場出荷状態にまで戻ってしまいます

もし大切なデータを保存している場合は、データ復旧業者に相談するようにしましょう。

機器内部のデータが必要な場合

機器自体の修理よりも、保存されているデータの復旧を目的としている方は、データ復旧専門業者に依頼することをおすすめします。専門知識やノウハウが蓄積されている復旧業者であれば、自動修復や復旧ソフトでは対応できない障害機器からのデータ復旧が可能です。

ただし、一般的な修理業者とは異なり、データ復旧業者については具体的なイメージが湧かないという方も多いことでしょう。データ復旧業者は国内に100社以上あり、業者によって対応できる障害の範囲も異なっていますので、障害機器に対応した技術力の高い業者を選ぶようにしましょう。

中には診断~見積もりまで無料で行っている業者もあるため、まずは無料相談を受け付けている技術力の高いデータ復旧業者へ相談することをおすすめします。

おすすめデータ復旧サービス・製品

技術力が高い業者の選定といっても、判断の基準が分からない方も多いと思います。そこで今回は100社以上あるデータ復旧業者の価格、内容(対応製品)、期間や特長から比較した、おすすめのデータ復旧業者を紹介します。

メーカーのデータ復旧サービスや他社の業者で復旧不可であった場合でも、諦めずに相談することで大切なデータを取り戻せる可能性があります。

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まとめ

今回は不良セクタが発生する原因、対処法、業者選びの注意点等について解説しました。

繰り返しになりますが、不良セクタによる症状が現れた時点で、大抵の場合、その機器は故障寸前であり、自己判断での修復作業は却って障害の悪化を招くことがあります(このようなケースだと、専門業者でも復旧・修復に対応できなくなってしまう恐れがあります)。

機器に重要なデータが保存されている場合は「データ復旧業者」を、機器の起動を優先させたい場合は「メーカー・修理専門業者」を選択しましょう。機器とデータを守るためには、業者への早めの相談が何より大切になってきます。まずは機器に起きている障害を正確に見極めましょう。

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