起動時のPINを何度か間違えて先に進めないときは、いったん入力を止めて、画面に表示された言葉を確認してください。「PIN」を求める画面と「BitLocker 回復キー」を求める画面では、次に行う操作が違います。
TPMのロックアウト解除が目的なら、「TPM のクリア」は選ばないでください。 ロックアウトは認証の一時的な制限です。クリアはTPMが保護する鍵を削除する操作で、暗号化されたデータへのアクセスに影響します。
この記事では、電源を入れたまま待てる場合、回復キーを探す場合、管理者がロックアウトをリセットできる場合を、目の前の画面から判断する方法を紹介します。
TPMのロックアウトと見分けたい3つの画面
TPMは、暗号鍵を保護するためのセキュリティ機能です。入力を拒否されたときは、Windowsの起動前か、ユーザー名が見えるサインイン画面か、48桁の回復キーを求める画面かを確認します。
起動時のPINを続けて間違えた
BitLockerで「TPM+PIN」を使うPCでは、Windowsの起動前にPINを求められます。誤った入力が重なると、総当たりでPINを試す攻撃を防ぐため、TPMが一時的に認証を制限します。
リスク:待機後も推測で入力すると、再び制限されることがあります。
Windowsのサインイン画面でPINを拒否された
ユーザー名や「サインイン オプション」が見える場合は、Windows Helloのサインイン画面です。ここで使うPINとBitLockerの起動時PINは別に設定されます。警告の文面だけでTPMのロックアウトと断定することはできません。
リスク:別の画面で使うPINを試し続けると、正しい資格情報で入り直すまでに時間がかかります。
起動時にBitLocker回復キーを求められた
48桁の数字を求める画面では、BitLockerがドライブのロックを解除するための回復キーを必要としています。PINの誤入力のほか、ファームウェア更新など起動環境の変更でもこの画面が表示されます。
リスク:TPMをクリアすると、TPMが保護していた鍵が失われます。回復キーを確保していない状態では、暗号化されたファイルにアクセスできなくなるおそれがあります。
「とりあえず操作」は危険。自己判断がデータ消失を招くことも
機器に不具合が起きたとき、焦って自分で操作を試みた経験はありませんか?
一見すると単なるフリーズやエラーのようでも、内部では深刻な異常が進行している可能性があります。この状態で電源の再投入や設定変更を繰り返すと、システムが上書きされ、本来なら救えたはずのデータまでもが復旧困難になることがあります。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、自己判断を避け、専門家による適切な診断を受けることが重要です。
- 絶対に失いたくない写真や書類が保存されている
- 大切な業務データが入っている
- 操作に自信がなく、何をすべきか迷っている
こうしたケースでは、早めの対応がデータを守る鍵になります。
そのため、まずは専門業者に相談し、正確な状態を見極めることが最善策といえます。
TPMのロックアウトを解除するときの対処法
PINの入力制限なら待機し、48桁の回復キーを求められたらキーの保管先を確認します。手動でロックアウトをリセットできるのは、所有者の承認情報を使える環境に限られます。
PINの入力を止め、電源を入れたまま待つ
起動時のPINを何度も間違えた直後は、追加の入力を止めます。Windowsが設定するTPM 2.0の標準構成では、通電中に新たな認証失敗がなければ、10分ごとに失敗回数が1ずつ減ります。10分でカウンター全体がゼロになるという意味ではありません。
- ノートPCは電源に接続し、シャットダウンや休止を避けます。画面に待機時間の指定があれば、その指示に従います。
- 待機後、起動時PINが確かに分かる場合だけ、キーボードの配列や数字の入力状態を確認して一度入力します。
- Windowsのサインイン画面であれば、「サインイン オプション」から、設定済みで利用可能な別の方法を選べます。
同じ警告が続いたら再入力を止めます。TPMの世代や端末の設定で待機条件が異なるため、管理者には警告の全文と表示された画面を伝えてください。
BitLocker回復画面ではキーIDを照合する
回復画面で必要なのは、そのドライブに対応する48桁の回復キーです。画面に表示されたキーIDは、保存済みのキーを見分けるための識別子です。
- 回復画面に表示されたキーIDの先頭8文字を控えます。
- 個人のPCは別の端末から Microsoft アカウントの回復キー一覧を開き、PCの設定に使ったアカウントでサインインします。印刷物やUSBメモリに保存した控えも確認します。
- 会社や学校のPCは管理窓口に端末名とキーIDを伝えます。一致するキーが見つかったら、48桁の数字を対象PCの回復画面に入力します。
一致するキーが見つからず、データが必要な場合は、そこで操作を止めてください。PCの初期化を進めると、端末内のファイルを失います。
所有者の承認情報がある場合だけロックアウトをリセットする
この操作は、Windowsに管理者として入れて、対象TPMの所有者パスワードまたは保存済みの所有者パスワードファイルを使える場合に限ります。現在のWindowsの既定設定では、所有者パスワードは保持されません。
- 管理対象のPCでは組織の担当者に対応を依頼します。作業前にBitLocker回復キーの保管先も確認します。
- WindowsキーとRキーを押し、
tpm.mscと入力して「OK」を選びます。「操作」欄の「TPM ロックアウトのリセット」を選びます。 - ウィザードで対象端末の所有者パスワード、または保存済みの .tpm ファイルを指定し、表示に従います。
項目が表示されない、または所有者情報が分からない場合は中止してください。サインイン用パスワードや48桁の回復キーをここで試したり、「TPM のクリア」を選んだりしないでください。
データ復旧の専門業者に相談する目安
PINの入力制限だけなら、まず待機や正規の回復手段を使います。一方、回復キーでロックを解除できてもドライブが読めない場合は、記憶装置に別の障害がある可能性があります。
- 会社や学校の端末は管理窓口へ、個人の端末は回復キーを保管した本人へ先に確認します。
- 回復キーがあり、読み取りエラーやドライブの認識不良が続く場合は、初期化や修復を止め、表示内容とバックアップの有無を整理します。
- 異音や水濡れがある場合は通電を止め、ストレージの診断を依頼します。
データ復旧業者に相談しても、失われた回復キーの再発行やBitLocker暗号化の解除を代行できるわけではありません。
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まとめ
起動時PINの誤入力でTPMがロックアウトされた場合は、入力を止め、電源を入れた状態で待ちます。BitLocker回復画面が出ている場合は、キーIDが一致する回復キーを探してください。
所有者の承認情報がなく、待機しても解決しない場合は、TPMをクリアする前に端末の管理者へ相談してください。読み取りエラーなど記憶装置の異常もあるときは、追加の修復を止めてデータを保全します。

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