AnyDesk詐欺とは?遠隔操作を許可した場合の対処法と確認すべき被害|サイバーセキュリティ.com

AnyDesk詐欺とは?遠隔操作を許可した場合の対処法と確認すべき被害

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AnyDeskは、PCやスマートフォンを遠隔から操作できる正規のリモートアクセスソフトです。ITサポートやテレワークなど正当な用途で利用される一方、近年は「ウイルス感染」「返金手続き」「未払い料金」「アカウント異常」などを口実に、利用者へAnyDeskをインストールさせて遠隔操作権限を取得するサポート詐欺にも悪用されています。

特に危険なのは、AnyDeskそのものではなく、見知らぬ相手に接続IDや許可を与えた後です。遠隔操作中にネットバンキングやメール、クレジットカード、暗号資産サービスなどを開くと、画面上の情報を見られたり、操作を代行されたりすることで、認証情報の窃取や不正送金につながる可能性があります。

自分から依頼していない相手にAnyDeskを入れるよう指示され、接続許可まで求められた場合は、正規サポートではなく詐欺を強く疑う必要があります。

そこで本記事では、AnyDeskを悪用した詐欺の典型的な手口、詐欺を見抜くサイン、ダウンロードしただけの場合と接続を許可した場合の違い、金融・アカウント被害への対処、端末確認、証拠保全、必要に応じたフォレンジック調査について解説します。

AnyDeskを悪用した詐欺の手口

AnyDesk詐欺では、いきなり遠隔操作を要求するのではなく、まず利用者を不安にさせ、本人の意思でソフトを導入・接続させる流れが使われます。

偽のウイルス警告を表示する

ブラウザ上に「ウイルスを検出しました」「このPCは危険です」などの警告を表示し、サポート窓口への電話を促します。

大音量、カウントダウン、全画面表示などで利用者を焦らせるケースもあります。

Microsoftや通信会社などを名乗る

相手はMicrosoft、Apple、Amazon、通信会社、銀行などを名乗り、正規サポートのように振る舞います。

しかし、突然の電話や警告画面を起点に、遠隔操作ソフトの導入を求める連絡は強く警戒してください。

返金・未払い手続きを装う

「返金するために画面を確認する必要がある」「未払いを解消するために操作を支援する」などと説明し、AnyDeskを入れさせるケースがあります。

AnyDeskの接続IDや許可を求める

AnyDeskの接続IDや画面上に表示される情報を伝えるよう求め、遠隔接続を成立させます。

接続許可後は、設定によって相手が画面を閲覧したり操作したりできる状態になります。

銀行やメールを開かせる

遠隔操作中にネットバンキング、クレジットカード、メール、暗号資産、決済サービスなどを開くよう求められる場合があります。

認証コードやワンタイムパスワードが画面上に表示されると、それを盗み見られたり、その場で送金操作を進められたりするおそれがあります。

AnyDesk詐欺を疑うサイン

自分から依頼していないサポートから連絡が来た

突然電話がかかってきたり、ポップアップ上の番号へ電話するよう求められたりした場合は、まず詐欺を疑ってください。

「今すぐ」「電話を切るな」と急かされる

「このままだと口座が危険」「数分以内に対処しないとデータが消える」などと時間的な圧力をかけるのは、典型的な詐欺の手口です。

ブラウザ警告から電話を促される

Webページ上の警告だけで、端末の感染や不正アクセスを正確に診断することは通常できません。

警告画面に電話番号が表示されている場合は、番号へ連絡しないでください。

銀行・カード・認証コードの操作を求められる

遠隔操作中にネットバンキングやカードサイトを開かせたり、SMSや認証アプリのコードを入力させたりする行為は非常に危険です。

AnyDesk以外のソフトも入れるよう言われる

Chrome Remote Desktop、TeamViewer、RustDesk、ScreenConnect、UltraViewerなど、追加の遠隔操作ツールを導入させる場合もあります。

AnyDeskをダウンロードしただけの場合の対処法

AnyDeskをダウンロードしただけで、接続IDを伝えておらず、相手からの接続を許可していない場合は、実際に遠隔操作された可能性は比較的低いと考えられます。

接続許可を押していないか確認する

AnyDeskでは通常、相手からの接続要求に対して利用者側で許可操作が必要です。

許可していない場合は、遠隔操作が成立していない可能性が高いです。

ダウンロード元を確認する

公式サイトではなく、広告や不審なページからダウンロードした場合は、AnyDeskを装った別のファイルである可能性も考慮してください。

別のファイルも実行していないか確認する

AnyDesk以外にEXE、MSI、ZIP、ブラウザ拡張機能などを導入していないか確認します。

端末をスキャンする

OSとセキュリティ製品を更新し、フルスキャンを実行します。

業務端末の場合は、自己判断で削除する前に情シス・CSIRTへ報告してください。

AnyDeskで接続を許可した場合に今すぐ行うこと

AnyDeskで見知らぬ相手からの接続を許可した場合は、「遮断」「金融被害防止」「認証情報の保護」「端末確認」の順で対応します。

ネットワークを遮断する

Wi-Fiをオフにし、有線LANを利用している場合はケーブルを抜いてください。

まず遠隔セッションを切断し、相手が継続して操作できない状態にします。

銀行・カード会社へ連絡する

遠隔操作中にネットバンキングやカード情報を表示・操作した場合は、金融機関やカード会社へ速やかに連絡します。

不審な送金、振込予約、カード利用、送金先登録、暗号資産の出庫先追加などがないか確認してください。

連絡先は相手から教えられた番号ではなく、カード裏面、公式アプリ、公式サイトなど正規経路から確認してください。

安全な別端末からパスワードを変更する

遠隔操作された可能性がある端末ではなく、安全性が確認できる別端末から認証情報を変更してください。

優先順位は、メール、金融サービス、Apple Account・Googleアカウント・Microsoftアカウント、パスワードマネージャー、携帯キャリア、SNS、業務SaaSなどです。

あわせて、全セッションのログアウト、復旧用メール、電話番号、MFA、パスキー、転送ルール、連携アプリなども確認します。

遠隔操作ソフトと不審アプリを確認する

AnyDeskだけでなく、接続中に相手が別のソフトを追加していないか確認してください。

特にリモートアクセスツール、VPN、ブラウザ拡張機能、不明な常駐アプリなどは重点的に確認します。

端末を調査する

OSやセキュリティ製品を更新し、信頼できるAV・EDRでフルスキャンします。

ただし、接続許可、管理者権限の付与、追加ソフトの導入、認証情報の表示まで行った場合は、単純なスキャンだけで侵害がなかったと断定できません。

AnyDesk接続中に銀行・カードを開いた場合の対処法

遠隔操作中に金融サービスを開いた場合は、金銭被害が確認できていなくても早めの確認が必要です。

不審な送金・カード利用

直近の利用明細、送金履歴、振込予約などを確認します。

振込先・送金先の追加

新しい振込先や暗号資産出庫先などが勝手に登録されていないか確認してください。

登録情報・通知先の変更

電話番号、メールアドレス、住所、通知設定などが変更されていないか確認します。

認証コードの漏えい

SMSや認証アプリのワンタイムパスワードを表示・入力した場合は、その認証情報が相手に見られた可能性も考慮します。

AnyDesk接続後に確認すべきアカウント

メールアカウント

メールは他サービスのパスワード再設定にも利用されるため、最優先で保護してください。

ログイン履歴、転送設定、フィルタ、回復用メールアドレス、MFAなども確認します。

Google・Microsoft・Appleアカウント

接続端末一覧、不審なセッション、復旧情報、パスキーや認証器の追加がないか確認します。

銀行・カード・決済サービス

金融サービスはパスワード変更だけでなく、公式窓口への連絡を優先してください。

パスワードマネージャー

遠隔操作中にパスワード保管庫を開いた場合は、保存されている複数アカウントへの影響も考慮します。

SNS・EC・業務SaaS

同じ端末で利用していたサービスについて、不審ログインや登録情報変更がないか確認してください。

AnyDesk接続後に端末で確認すべきポイント

インストール済みアプリ

AnyDeskを導入した時刻前後に、知らないアプリが追加されていないか確認します。

スタートアップ・サービス

PC起動時に自動実行する不審なソフトやサービスが登録されていないか確認してください。

ブラウザ拡張機能

知らない拡張機能や、過剰な権限を持つ拡張機能が追加されていないか確認します。

不審な管理者アカウント

WindowsやmacOSに知らないユーザーや管理者権限が追加されていないか確認してください。

セキュリティ製品の設定変更

Microsoft Defenderや他のセキュリティ製品が無効化されていないか、除外設定が追加されていないかも確認対象です。

AnyDesk詐欺で証拠として保存すべきもの

金融被害や不正アクセスが関係する場合は、相手とのやり取りや端末の状態をできるだけ保存してください。

相手の電話番号・メール・SMS

相手から届いた連絡は削除せず、日時が分かる状態で保存します。

AnyDesk IDと接続時刻

接続に使ったAnyDesk ID、接続開始・終了時刻などが分かれば記録してください。

警告画面・URL

偽の警告ページが入口だった場合は、画面とURLを保存します。

インストールしたファイル

AnyDeskや相手の指示で導入したファイル名、保存先、ダウンロード時刻を記録します。

金融取引・送金記録

不正送金やカード利用があれば、金額、日時、送金先、取引IDなどを保存してください。

相手との会話・チャット記録

相手が何を指示したかは、後から被害範囲を整理する重要な手掛かりになります。

AnyDesk詐欺でやってはいけないこと

相手との接続を続ける

説明や返金を求めて接続を継続すると、追加の操作や情報窃取を受ける可能性があります。

相手の番号へ折り返す

連絡が必要な場合は、相手が示した番号ではなく正規企業の公式窓口を利用してください。

遠隔操作された端末でパスワードを変更する

端末が侵害されている可能性があるため、パスワード変更は安全性が確認できる別端末から行います。

証拠を残す前にすべて削除する

不審なアプリ、インストーラー、ブラウザ履歴、接続情報をすぐ削除すると、後の調査で利用できる痕跡が失われることがあります。

AnyDeskを消しただけで安全と判断する

接続中に別のRMM、マルウェア、ブラウザ拡張などが追加されていた場合、AnyDeskを削除してもリスクが残ります。

AnyDesk詐欺をフォレンジック調査で確認する方法

AnyDeskをダウンロードしただけで接続許可をしておらず、追加ファイルの実行や認証情報入力もない場合は、必ずしも専門調査が必要になるとは限りません。

一方、実際に接続を許可した、管理者権限を渡した、銀行やメールを開いた、相手が別のソフトを入れた、不審なログインや送金がある場合は、端末やアカウントへの影響を詳しく調べる必要があります。

遠隔操作中に実行されたプログラム

接続時間帯にどのアプリやコマンドが実行された可能性があるかを調査します。

追加されたRMM・マルウェア

AnyDesk以外の遠隔操作ソフトや、不審な常駐プログラムが追加されていないか確認します。

ブラウザ・認証情報へのアクセス痕跡

ブラウザ保存パスワード、Cookie、メール、クラウドサービスなどへアクセスした痕跡を確認します。

不審な外部通信

端末上のログなどから、遠隔操作中やその後に不審な通信が行われていないか確認します。

不正ログイン・金融被害との関連

メールやGoogle・Microsoftアカウント、金融サービスで発生した不審操作と、AnyDesk接続時刻の関連を整理します。

AnyDeskで遠隔操作を許可した場合はフォレンジック調査会社に相談する

AnyDeskをインストールしただけで、接続を一度も許可しておらず、追加ファイルやアプリも実行していない場合は、アンインストールやセキュリティスキャンで対応できるケースがあります。

一方、見知らぬ相手へ遠隔操作を許可した、銀行やメールを開いた、管理者権限を渡した、相手が追加ソフトを導入した場合は、AnyDeskを削除するだけでは端末の安全性を確認できません。

また、自己判断で端末を初期化したり、不審なファイルや接続履歴を削除したりすると、遠隔操作中にどのプログラムが実行され、どの情報やアカウントへアクセスされた可能性があるのかを確認するための痕跡が失われる場合があります。

不審な兆候を確認した場合、フォレンジック調査会社への相談をお勧めします。フォレンジック調査会社では、AnyDeskの利用状況、端末上の実行履歴、不審なアプリやサービス、ブラウザ情報、外部通信などを調査し、遠隔操作中に何が行われた可能性があるのか、情報窃取や他アカウントへの影響があるのかを詳しく確認できます。

こうした専門調査によって影響範囲を整理できれば、どのアカウントを失効・再設定すべきか、端末を再構築すべきか、金融機関や警察などへ追加で説明すべき事項があるかを判断しやすくなります。

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まとめ

AnyDeskは正規の遠隔操作ソフトですが、突然の電話や偽警告を起点に利用者へインストールさせ、銀行やアカウントを操作するサポート詐欺に悪用されることがあります。

ダウンロードしただけで接続を許可していない場合は、遠隔操作された可能性は比較的低いものの、非公式サイトから取得した場合や別ファイルを実行した場合は端末確認が必要です。

実際に接続を許可してしまった場合は、まずネットワークを遮断し、金融機関・カード会社への連絡、安全な別端末からのパスワード変更、全セッションの失効、MFAや復旧情報の確認を進めてください。

AnyDeskを削除しただけでは、接続中に別の遠隔操作ツール、ブラウザ拡張機能、マルウェアなどが追加されていないことまでは確認できません。

遠隔操作中に銀行・メールを開いた、管理者権限を渡した、不審なソフトを追加された、接続後に不正ログインや金銭被害がある場合は、端末とアカウントを含む侵害として扱い、必要に応じてフォレンジック調査を検討してください。

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