社用パソコンの利用状況を確認したい場合や、退職者・従業員がどのWebサイトを閲覧していたのか整理したい場合、Microsoft Edgeの閲覧履歴が手がかりになることがあります。Edgeでは、標準機能から閲覧履歴をCSV形式で保存できるため、日時やURLなどを表形式で確認できます。
ただし、CSVとして取得できるのはEdgeに残っている履歴です。履歴が削除されている場合やInPrivate閲覧が利用されていた場合、組織ポリシーによって履歴保存が制限されている場合には、標準機能だけでは確認できる範囲が限られます。また、証拠として利用する目的がある場合、元データを直接開いて操作すると証拠が変わる恐れがあるため注意が必要です。
閲覧履歴を業務上の確認や社内調査に利用する場合は、単にCSVを書き出すだけでなく、「どの履歴が残っているのか」「削除や欠落がないか」「元データをどのように保全するか」まで考えることが重要です。
そこで本記事では、Microsoft Edgeの閲覧履歴をCSV形式でエクスポートする方法から、履歴が確認できない場合の原因、フォレンジック調査を見据えた元データの保全方法までわかりやすく解説します。
Microsoft Edgeの閲覧履歴をCSVでエクスポートする方法
Microsoft Edgeでは、標準機能から閲覧履歴をCSV形式で保存できます。特別な解析ソフトを使わずに履歴を一覧化したい場合は、まず標準機能を利用すると確認しやすくなります。
Edgeの履歴画面を開く
Microsoft Edgeを起動し、キーボードで「Ctrl + H」を押します。すると、Edgeの閲覧履歴を確認できる履歴パネルが表示されます。
履歴には、これまで閲覧したWebページの情報が残っている場合があります。まずは対象となる期間やURLが表示されているかを確認します。
閲覧データをエクスポートする
履歴パネル右上にある「…」を選び、表示されるメニューから「閲覧データをエクスポートする」をクリックします。
操作時にWindows HelloまたはWindowsアカウントの資格情報による認証を求められる場合があります。認証が完了すると、保存先を指定できるようになります。
CSVファイルを保存して内容を確認する
保存先を選択すると、閲覧履歴をCSV形式で保存できます。CSVには通常、閲覧日時、ページタイトル、URLなどの情報が含まれます。
CSVをExcelで開く場合は、URL列が自動的に日付などへ変換されることがあります。URLをそのまま確認したい場合は、インポート時に対象列を「文字列」として読み込むと扱いやすくなります。
- Microsoft Edgeを開き、「Ctrl + H」を押します。
- 履歴パネル右上の「…」を選択します。
- 「閲覧データをエクスポートする」を選択します。
- 必要に応じてWindowsの資格情報で認証します。
- 保存先を指定し、CSVファイルを保存します。
Edgeで「閲覧データをエクスポートする」が表示されない場合
Edgeの履歴画面を開いても、エクスポートの項目が確認できない場合があります。その場合は、Edgeの状態や履歴の保存条件を確認します。
Edgeが最新の状態ではない
エクスポート項目が見つからない場合は、Microsoft Edgeを更新したうえで履歴画面を開き直します。
更新後も表示されない場合は、履歴の保存状況や端末側の設定も確認する必要があります。
組織ポリシーで履歴保存が制限されている
会社や学校などで管理されているパソコンでは、管理者がEdgeの動作をポリシーで制御している場合があります。
履歴の保存自体が無効になっている場合は、標準機能から確認できる履歴が残っていない可能性があります。社用端末の場合は、勝手に設定を変更せず、情報システム部門などの管理担当者へ確認することが重要です。
InPrivate閲覧を利用していた
InPrivateモードで閲覧していた場合、通常の閲覧履歴と同じようには履歴が残らないため、Edgeの標準履歴から確認できる範囲が限られます。
そのため、「履歴にURLがない」というだけで、該当サイトを閲覧していなかったと断定することは避けた方がよいでしょう。
閲覧履歴がすでに削除されている
ユーザーがEdgeの閲覧履歴を削除していた場合、通常の履歴画面やCSVエクスポートでは確認できないことがあります。
社内調査などで削除前の履歴を確認する必要がある場合は、対象端末の状態をできるだけ変えず、元データや関連する記録が残っていないか確認する必要があります。
履歴が見つからない場合に、すぐ「閲覧していない」と判断するのは適切ではありません。削除、InPrivate利用、ポリシー設定など複数の原因が考えられるため、必要に応じて別の記録と照らし合わせることが重要です。
Edgeの閲覧履歴をフォレンジック用途で確認する場合の注意点
社内不正や労務調査などで閲覧履歴を証拠として確認したい場合は、通常のCSV出力とは別に、元データを保全する考え方が重要になります。
Edgeの元データを直接操作しない
Windows環境では、Edgeの閲覧履歴に関する元データがSQLite形式のデータベースとして保存されています。
代表的な保存先は次の場所です。
%LOCALAPPDATA%\Microsoft\Edge\User Data\Default\History
ただし、証拠確認を目的としている場合、元の「History」ファイルをそのまま開いて編集・解析するのは避けた方がよいでしょう。操作によってファイルの状態が変わると、後から元の状態を説明しにくくなる場合があります。
History関連ファイルをコピーして保全する
フォレンジック用途で確認する場合は、Edgeを完全に終了したうえで、対象となるファイルをまずコピーして保全します。
確認対象として挙げられるのは、次のファイルです。
- History
- History-wal
- History-shm
元ファイルではなくコピー側を使ってSQLiteで確認することで、元データへの不用意な変更を避けやすくなります。
特に社内不正や法的対応を想定する場合は、単純なファイルコピーだけで十分かどうかを含め、調査目的に応じた証拠保全の手順を検討する必要があります。
複数のEdgeプロファイルを確認する
Microsoft Edgeで複数のプロファイルを利用している場合、「Default」だけを確認すると履歴を見落とす可能性があります。
「Profile 1」など別のプロファイルが存在する場合は、それぞれの履歴データが確認対象になることがあります。
- 対象端末やユーザー、確認目的を整理します。
- Microsoft Edgeを完全に終了します。
- History、History-wal、History-shmを元の場所からコピーして保全します。
- Default以外のプロファイルがないか確認します。
- 元データではなく保全したコピー側を解析します。
なお、企業の従業員端末を調査する場合は、技術的に確認できるからといって無制限に閲覧してよいわけではありません。就業規則や情報セキュリティ規程、端末の利用目的、調査権限などを踏まえ、適切な範囲で確認する必要があります。
Edgeの削除済み閲覧履歴や利用状況を詳しく確認する方法
CSVエクスポートで取得できる履歴は、現時点でEdgeに残っている情報が中心です。削除済みの履歴や、不自然な履歴の欠落まで確認したい場合は、端末内に残る複数の記録を組み合わせて確認する必要があります。
閲覧履歴データベースを確認する
Edgeの履歴データベースには、標準の履歴画面とは異なる形で確認できる情報が含まれている場合があります。
ただし、SQLiteデータベースの構造や関連ファイルを理解せずに操作すると、必要な情報を正しく読み取れないことがあります。元データを保持したうえで、コピーを対象に確認することが重要です。
他の操作履歴と時系列を照合する
閲覧履歴だけで、従業員や退職者の行動全体を判断することは難しい場合があります。
たとえば、Webサイトへのアクセス時刻とファイル操作、USB接続、メール送信、クラウド利用などの記録を時系列で照らし合わせることで、業務上の操作だったのか、不自然な行動が続いていたのかを整理しやすくなります。
単一の履歴だけで結論を出さず、複数のデータを組み合わせて事実関係を確認することが重要です。
削除や改変が疑われる場合は専門調査を検討する
閲覧履歴が意図的に削除された可能性がある場合や、社内不正の立証などに利用する場合は、自己流で端末を操作し続けることで証拠が失われる恐れがあります。
削除済みの履歴や端末利用状況を正確に確認するには、閲覧履歴だけではなく、関連する操作記録や端末内のデータを客観的に調べる必要があります。その手法として利用されるのがフォレンジック調査です。
フォレンジック調査では、パソコンなどのデジタル機器に残る操作履歴やログを保全・解析し、閲覧履歴、ファイル操作、外部媒体の接続などを時系列で整理します。これにより、社内調査や法的対応に必要な事実関係を確認しやすくなります。
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まとめ
Microsoft Edgeでは、標準機能を使って閲覧履歴をCSV形式でエクスポートできます。「Ctrl + H」で履歴を開き、「閲覧データをエクスポートする」から保存すれば、閲覧日時やページタイトル、URLなどを一覧で確認できます。
一方、履歴を削除している場合やInPrivate閲覧を利用していた場合、組織ポリシーで履歴保存が制限されている場合は、標準機能だけでは確認できる情報が限られます。履歴が表示されないことだけを理由に、該当サイトを閲覧していないと判断しないことが重要です。
また、社内不正や法的対応のために履歴を確認する場合は、元のHistoryデータを不用意に操作せず、関連ファイルを保全したうえで確認する必要があります。削除履歴や他の操作記録まで詳しく確認したい場合は、フォレンジック調査によって端末内の記録を横断的に解析する方法があります。




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