LogMeIn Rescueは、企業のヘルプデスクやカスタマーサポートで使われる正規の遠隔操作ツールです。担当者が利用者の画面を共有し、設定変更やトラブル対応を行うために利用されます。
一方で、偽のウイルス警告やサポート窓口をきっかけに、利用者へLogMeIn Rescueを実行させるサポート詐欺もあります。遠隔操作を許可すると、ブラウザ、メール、保存ファイル、ネットバンキングなどを操作される可能性があります。
LogMeIn Rescue自体が危険なソフトというわけではありませんが、接続相手が攻撃者だった場合は、情報閲覧や不正送金、アカウント悪用につながるおそれがあります。また、焦って関連ファイルや履歴を削除すると、後から操作内容を確認するための痕跡が消える恐れがあります。
そこで本記事では、LogMeIn Rescueの正規機能、サポート詐欺で悪用される手口、正規利用との見分け方、遠隔操作された場合の対処法を解説します。
LogMeIn Rescueとは
LogMeIn Rescueは、企業のサポート担当者が利用者のパソコンやスマートフォンへ接続し、遠隔でトラブル対応を行うための商用ツールです。
一般的な接続では、利用者が指定されたWebページへアクセスし、担当者から案内されたPINコードを入力します。その後、Rescueアプレットをダウンロードして実行し、利用者が遠隔操作を許可すると接続が始まります。
遠隔操作中は、画面操作、キーボード入力、設定変更、ファイルの閲覧や転送、再起動などが行われる場合があります。そのため、接続先が正規のサポート担当者かどうかを確認することが重要です。
LogMeIn Rescueを使ったサポート詐欺の主な手口
サポート詐欺では、正規の遠隔操作ツールを使うことで、利用者に安心感を与えながら端末へ接続します。代表的な手口を確認しておきましょう。
偽のウイルス警告から電話へ誘導する
ブラウザ上に「ウイルスに感染しました」「このままではデータが失われます」などの警告を表示し、画面に記載された電話番号へ連絡させる手口があります。
警告音やカウントダウンを使い、利用者を焦らせることもあります。電話をかけると、偽の担当者から遠隔操作による点検が必要だと説明されます。
PINコードの入力と遠隔操作の許可を求める
偽の担当者は、LogMeIn Rescueの接続ページを案内し、PINコードを入力するよう求めます。その後、ダウンロードしたアプレットを実行し、遠隔操作を許可するよう指示します。
利用者が自分で許可操作を行うため、セキュリティソフトが接続自体を不正と判断しないこともあります。正規ツールの仕組みが、そのまま悪用される点に注意が必要です。
遠隔操作中にファイルやアカウントを確認する
接続後は、ブラウザ、メール、保存ファイル、ネットバンキングなどを開かれる場合があります。画面上では点検を装いながら、個人情報や認証情報を確認される可能性があります。
遠隔操作中に画面が暗くなったり、別のウィンドウを開かれたりした場合は、その間にファイル操作や設定変更が行われていないか確認する必要があります。
有償サポートや送金を求める
偽のウイルス除去費用や保守契約料として、クレジットカード情報や銀行送金を求めるケースがあります。
ネットバンキングを遠隔操作された場合は、送金画面や認証情報を見られている可能性があります。支払いを途中で止めても、入力済みの情報が悪用されるおそれがあります。
不審な接続だった場合は遠隔操作の影響を確認する
偽警告から電話をかけ、PINコードを入力して遠隔操作を許可した場合は、サポート詐欺を疑う必要があります。
接続を終了しても、遠隔操作中にどのファイルを開かれたか、何を変更されたかまでは画面上から確認できない場合があります。関連ファイルや履歴をすぐに削除すると、証拠が失われる恐れがあります。
不審な決済やログイン通知が発生している場合は、端末とアカウントの両方を確認することが重要です。
LogMeIn Rescueの正規利用と不審な利用を見分けるポイント
LogMeIn Rescueは正規のツールであるため、ソフト名だけでは詐欺かどうかを判断できません。接続のきっかけや担当者の身元、操作内容を確認する必要があります。
問い合わせ先が企業の公式窓口と一致している
正規の利用では、接続先や電話番号が企業の公式サイト、契約書、サポート案内などに記載された情報と一致しています。
ブラウザの警告画面や不明なメールに記載された電話番号から案内された場合は、公式サイトの窓口へ自分で確認してください。
事前に契約やサポート受付の記録がある
正規のサポートでは、契約内容、チケット番号、問い合わせ履歴、担当者名などが確認できることが一般的です。
利用者から問い合わせていないにもかかわらず、突然サポートを名乗る相手から接続を求められた場合は注意が必要です。
操作内容について事前説明がある
正規の担当者であれば、どの設定を確認するのか、どのファイルへアクセスするのかを説明したうえで操作します。
説明なくメールやネットバンキングを開いたり、ファイル転送を行ったりする場合は、不審な操作として扱う必要があります。
突然の警告や電話から接続へ誘導されていない
「今すぐ接続しないと危険」「数分以内にデータが失われる」など、過度に不安をあおる案内はサポート詐欺でよく使われます。
正規のサポートであっても、接続前に担当者の所属と連絡先を確認し、不明点があれば公式窓口へ折り返すことが大切です。
LogMeIn Rescueで遠隔操作された可能性がある場合の対処法
不審な相手に遠隔操作を許可した場合は、接続の切断、記録の保存、アカウント保護の順で対応します。
LogMeIn Rescueの接続を終了する
遠隔操作が続いている場合は、Rescueのセッションを終了します。相手との電話も切り、追加の操作や認証情報の入力を行わないでください。
- LogMeIn Rescueの接続画面からセッションを終了します。
- 相手との電話やチャットを終了します。
- 新しいPINコードや認証情報を伝えないようにします。
- 接続が切れたことを確認します。
ネットワーク接続を一時的に切る
接続が終了したか判断できない場合は、LANケーブルを抜くか、Wi-Fiをオフにします。企業端末では、情報システム担当者へ連絡してください。
- 有線接続の場合はLANケーブルを抜きます。
- 無線接続の場合はWi-Fiをオフにします。
- 企業端末では管理担当者へ状況を共有します。
- 必要な記録を残す前に初期化しないようにします。
接続情報と関連ファイルを記録する
接続に使ったPINコード、接続時刻、電話番号、担当者名、表示された画面などを記録してください。
デスクトップ、ダウンロードフォルダ、アプリ一覧、ユーザーフォルダ内にRescue関連のファイルが残っている場合は、削除前にファイル名や保存場所を記録します。
- 接続した日時と利用したPINコードを記録します。
- 相手の電話番号やメールアドレスを保存します。
- Rescue関連ファイルの名称と保存場所を記録します。
- 遠隔操作中に開かれた画面やファイルを整理します。
- 不審な通知や決済があればスクリーンショットを保存します。
パスワードとログイン履歴を確認する
遠隔操作中にメール、通販サイト、SNS、クラウドサービスなどを開かれた場合は、別の安全な端末からパスワードを変更してください。
ログイン履歴や接続端末も確認し、心当たりのないアクセスをサインアウトします。同じパスワードを使っているサービスがある場合は、あわせて変更します。
- 安全な別端末から公式サイトへアクセスします。
- 関連アカウントのパスワードを変更します。
- ログイン履歴と接続端末を確認します。
- 不審な端末やセッションをサインアウトします。
- 二要素認証を有効にします。
カード会社や金融機関へ連絡する
クレジットカード情報や銀行情報を入力した場合は、カード会社や金融機関の公式窓口へ連絡してください。
ネットバンキングを遠隔操作された場合は、不正送金の有無にかかわらず、利用制限や認証情報の変更について確認する必要があります。
- カード会社や金融機関の公式窓口へ連絡します。
- 遠隔操作されたことを正確に伝えます。
- 利用停止や再発行の案内に従います。
- 利用明細と口座履歴を確認します。
- 不審な取引があれば警察への相談も検討します。
操作内容が分からない場合は遠隔操作のフォレンジック調査会社に相談する
LogMeIn Rescueの接続を終了しても、遠隔操作中にどのファイルを開かれたか、何を転送されたか、どの設定を変更されたかまでは分からない場合があります。
端末に残る操作履歴や通信記録を客観的に確かめるには、記録を安全に保ちながら調べる方法が役立ちます。その手法として有効なのがフォレンジック調査です。フォレンジック調査では、Rescue関連ファイル、実行履歴、接続時刻、ファイル操作、ブラウザ履歴、レジストリなどを分析します。
独自に関連ファイルや履歴を削除すると、痕跡が消える恐れがあります。情報漏えいや不正送金が疑われる場合は、端末の状態を保ったまま専門会社へ相談することが重要です。
LogMeIn Rescueで遠隔操作された場合に想定される被害
不審な相手へ遠隔操作を許可した場合は、端末内の情報閲覧だけでなく、アカウントや金融情報へ影響が広がる可能性があります。
保存ファイルや個人情報の閲覧
デスクトップやドキュメントフォルダに保存された写真、契約書、顧客情報などを閲覧された可能性があります。
メールや各種アカウントの不正利用
ブラウザに保存されたパスワードやメール内容を見られると、別の端末からアカウントへログインされる可能性があります。
クレジットカードや銀行口座の被害
遠隔操作中にカード情報や銀行口座を入力した場合は、不正決済や不正送金につながるおそれがあります。
ファイル転送や追加ソフトの導入
遠隔操作ツールの機能を使ってファイルを転送されたり、別のプログラムを追加されたりする可能性があります。接続終了後も不審なソフトが残っていないか確認が必要です。
接続を切っただけでは被害の有無を判断できない
LogMeIn Rescueのアプレットを削除しても、接続中に行われた操作まで取り消すことはできません。
不審なログイン、決済、ファイル変更がある場合は、端末と関連アカウントをまとめて確認する必要があります。
LogMeIn Rescueの遠隔操作をフォレンジック調査で確認する方法
遠隔操作中に何が行われたのかを整理するには、端末に残る複数の記録を時系列で確認します。
Rescue関連ファイルと実行履歴を確認する
ダウンロードされたアプレットや一時ファイル、実行履歴などを確認し、接続が行われた時刻を整理します。
ブラウザやファイル操作の痕跡を確認する
ブラウザ履歴、ダウンロード履歴、最近開いたファイル、ファイル更新時刻などを確認します。保存状況によっては、接続中に操作された可能性のあるデータを整理できます。
接続時刻を基準に操作内容を整理する
電話を開始した時刻、PINコードを入力した時刻、遠隔操作を許可した時刻、接続を終了した時刻を基準に、端末内の記録を時系列で照合します。
警察や金融機関への説明に備えて証拠を保全する
金銭被害や情報漏えいが疑われる場合は、電話番号、接続コード、通話履歴、支払い記録、不審なログイン通知などを保存してください。
端末の初期化や履歴の一括削除を行うと、調査に必要な記録が失われる可能性があります。
おすすめのフォレンジック調査会社
LogMeIn Rescueを不審な相手に利用され、遠隔操作中に何をされたか確認したい場合は、端末の操作履歴や通信記録を調べられるフォレンジック調査会社への相談が選択肢になります。
公式サイトデジタルデータフォレンジック
編集部が厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。
デジタルデータフォレンジックは、累計4万7千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も409件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。
24時間365日の相談窓口があり、緊急時でも安心です。相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。
まとめ
LogMeIn Rescueは正規の遠隔サポートツールですが、偽警告や不審な電話から接続を求められた場合は、サポート詐欺に悪用されている可能性があります。
不審な相手へPINコードを伝え、遠隔操作を許可した場合は、接続を終了してネットワークを切り、接続時刻や関連ファイルを記録してください。パスワードや金融情報を入力した場合は、アカウントの保護と金融機関への連絡も必要です。
遠隔操作中に何をされたか分からない場合は、関連ファイルや履歴を削除せず、端末内の操作記録を確認できる専門調査を検討することが重要です。




![中小企業の情報瀬キィリティ相談窓口[30分無料]](/wp-content/uploads/2023/07/bnr_footer04.png)



