ハラスメント相談への正しい対応とは?フォレンジック調査を活用した社内調査の進め方|サイバーセキュリティ.com

ハラスメント相談への正しい対応とは?フォレンジック調査を活用した社内調査の進め方

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ハラスメント 調査

パワハラやセクハラに関する相談件数は年々増加しており、企業にはこれまで以上に慎重かつ透明性のある対応が求められるようになっています。対応を誤れば、被害者からの告発やSNSでの炎上に発展し、レピュテーションリスクだけでなく法的責任を問われるケースもあります。

特に、証言だけに頼った調査では「言った・言わない」の水掛け論に陥りやすく、調査の公平性や処分の正当性を説明するのが困難になる場面も少なくありません。

こうした中、近年注目されているのが、メールやチャット、通話履歴などのデジタル証拠を活用した「フォレンジック調査です。記録に残る情報をもとに事実関係を丁寧に整理することで、関係者の納得感を高め、法的・ レピュテーションリスクの抑止につなげることが可能になります。

本記事では、ハラスメント相談対応において企業が直面するリスクと、フォレンジック調査の役割を実務の視点から解説します。

ハラスメント相談が増加する中で企業が抱えるリスクとは

近年、職場のハラスメントに対する法制度の整備や社会的関心の高まりを背景に、企業の対応にも大きな変化が求められています。ここでは、相談件数の動向と、それに伴う企業側のリスクについて整理します。

相談件数の増加と社会的背景

厚生労働省の「職場のハラスメントに関する実態調査」などによれば、ハラスメントの相談件数は過去10年間で一貫して増加傾向にあります。背景には、法改正による企業の義務強化、社外通報制度の整備、SNSによる情報拡散の容易さなどが挙げられます。

特に2022年4月からは、パワハラ防止法制(改正労働施策総合推進法)が中小企業にも適用され、相談対応や再発防止措置の実施が企業に義務づけられました。このため、相談を受けた段階で企業に一定の対応責任が生じる構造となっています。

企業にとっての法的・レピュテーションリスク

対応を誤れば、企業は労働審判や民事訴訟などの法的責任に加え、レピュテーションリスクにも直面します。たとえば、加害者とされた従業員への処分が不当とされたり、相談者がSNS等で企業対応の不備を告発する事例も少なくありません。

特に、証拠が不十分なまま処分に踏み切ると「不当解雇」「名誉毀損」などのリスクを抱えることになります。一方で、事実確認が甘ければ「もみ消し」や「二次被害」の批判を受ける可能性もあります。

対応ミスによる労務トラブル・炎上リスク

「相談はあったが、裏付けがないため調査は実施しなかった」といった対応は、後々問題化しやすい傾向にあります。加害者・被害者のいずれからも不満が生じやすく、組織内の不信感や離職にもつながりかねません。

また、被害を訴えた従業員が「企業が真摯に取り合わなかった」としてSNS等で告発する事例も増えています。一度発生した炎上リスクは収束が難しく、迅速かつ客観性のある調査対応が不可欠です。

このような事態を未然に防ぐためには、事実確認の段階から専門的な調査ノウハウを持つ第三者を活用することが極めて重要です。特に、メール・チャット・通話記録など客観的な証拠を適切に収集・解析できるフォレンジック調査は、調査の信頼性を高め、企業対応への納得感を生み出します。

当社は法的代理を担う弁護士とは異なり、デジタル証拠に基づく事実解明のプロフェッショナルとして、初動対応から報告書作成まで、貴社のリスク最小化を支援します。

従来のハラスメント相談対応フローとその限界

多くの企業では、ハラスメント相談を受けた場合、社内の相談窓口や人事部門がヒアリングを中心に対応を進める体制を取っています。しかし、事案の複雑化や社会的関心の高まりを受け、従来型の相談対応では対応しきれないケースが増加しています。通常のハラスメント対応フローは以下の通りです

  1. 社内の相談窓口(人事・総務・コンプライアンス部門など)での受付
  2. 相談内容のヒアリングと記録化
  3. 事実関係の把握と加害者・関係者への聞き取り
  4. 調査報告書の作成と懲戒等の措置検討
  5. 再発防止策の策定と社内周知

このように社内完結型のプロセスは迅速性やコスト面では一定の利点がありますが、一方で大きな弱点もあります。

ヒアリングに依存した調査では、証言の信頼性や記録の精度に限界があります。当事者間の主張が対立する場面では、「言った・言わない」の水掛け論に発展し、事実認定が困難になります。

さらに、会話や業務指示が記録されていない場合、社外への説明や処分の根拠として不十分とされるリスクも存在します。これは訴訟や外部調査委員会が設置された場合に、調査自体の適正性が問われる事態につながる可能性があります。

ハラスメント調査にも役立つフォレンジック調査とは

フォレンジック調査とは、PC・スマートフォン・社内ネットワークなどに保存されたデジタルデータを技術的に収集・分析し、客観的な事実を明らかにする調査手法です。もともと刑事事件で用いられていた技術ですが、現在では企業の内部調査・ハラスメント対応でもその有用性が高く評価されています。

フォレンジック調査で取得・分析される代表的な情報は以下の通りです。

  • メールやチャットでの暴言・不当な指示・排除行為の記録
  • PC操作ログによる業務中の行動パターンの把握
  • 勤怠・通話データから、勤務時間中の異常行動の補足
  • 関係者間のやり取りを記録した会議録音・通話録音

これらを複合的に照合・分析することで、曖昧だった事実関係が可視化され、当事者双方にとって納得感の高い調査対応が可能になります。

ハラスメントに関するフォレンジック調査では、次のようなデジタル証拠が重視されます。

  • メール:業務連絡や私的なやり取り、感情的な発言が含まれる場合も
  • チャット:Slack、Teams、LINEなどでの指示・発言・スタンプ等の履歴
  • ログ:業務端末の操作履歴、アクセス記録(ログオン/ログオフ等)
  • 勤怠データ:長時間労働や休憩取得状況、業務時間中の異常挙動の補強証拠
  • 通話履歴・録音:電話・Zoom等でのやり取りを記録していた場合

これらのデジタル証拠は、適切な手順で収集・分析しなければ、調査の信頼性や証拠価値が損なわれるおそれがあります。特にハラスメント相談対応では、「どこまで調査すべきか」「社内で対応可能か」「第三者の関与が必要か」と判断に迷うケースも少なくありません。

そのような場合には、法的判断を行う弁護士とは役割の異なる、デジタル証拠調査の専門会社に相談することで、初動対応の方向性を整理しやすくなります。フォレンジック調査を活用すれば、感情論に偏らず、事実に基づいた冷静な対応が可能です。

ハラスメント相談対応にフォレンジックを組み込むメリット

ハラスメント相談への対応においては、従来のヒアリング中心の調査だけでは限界があります。
フォレンジック調査を組み合わせることで、企業は客観的な証拠をもとに事実関係を明確にしやすくなり、対応の信頼性が大きく向上します。ここでは、調査精度の向上にとどまらず、社内外への説明責任や再発防止にも寄与する主なメリットを解説します。

暴言・排除・不当指示を「客観的に証明」できる

パワハラに該当するかどうかの判断は、主観的な受け止め方に依存しやすく、「単なる業務指導」との区別が曖昧になることもあります。しかし、メールやチャットに記録された言動や、会議録音の内容などをもとにすれば、「誰が」「いつ」「どのような発言をしたか」を客観的に示すことが可能です。

こうした証拠に基づいて判断することで、加害者・被害者のどちらにとっても納得性の高い対応につながります。

訴訟・外部委員会対応に耐える説明責任の担保

近年は、調査の過程そのものが外部からチェックされる場面も増えています。たとえば、第三者委員会や労働審判の場では、調査内容が「公正かつ再現可能なものであったか」が問われます。

このとき、証拠の取得方法や分析手順が不明確であったり、記録が残っていなかったりすると、調査の信頼性が損なわれる可能性があります。フォレンジック調査では、取得対象・日時・操作履歴などを含めた記録を体系的に残すことで、説明責任に耐えうる基盤を築くことができます。

再発防止・納得感のある措置決定につながる

調査結果が曖昧なままだと、処分内容に対して当事者が不満を持ち、納得感を得られないことがあります。また、被害者が「再発防止策が不十分」と感じた場合には、メディアやSNSで告発する事態に発展することもあります。

客観的証拠に基づいた説明ができれば、「どのような事実があり」「どのような経緯で措置を決定したか」を明確に伝えることができ、社内の信頼性維持や職場風土の改善にもつながります。

フォレンジックを活用した社内調査の具体的な進め方

ハラスメント相談を受けた際、フォレンジック調査を活用することで、感情論に頼らない客観的な事実確認が可能になります。ここでは、調査の基本的な流れと注意点を実務的に整理します。

相談受付時点でのデータ保全とログ確保の重要性

フォレンジック調査は、証拠が「改ざんされていない」「消えていない」状態で行うことが前提となります。そのため、相談を受けた段階で可能な限り早く、調査対象者のPC・メール・チャット・クラウドデータなどの操作履歴を保全しておくことが非常に重要です。

とくにハラスメントが疑われる事案では、関係者が証拠となり得るデータを削除・修正してしまうことも考えられるため、初動対応としての「ログ保全」は調査の成否を左右します。

調査対象・範囲・端末の特定と分析の流れ

フォレンジック調査では、まず調査対象者や関係者、調査対象とする期間や端末・クラウド環境を明確に定めたうえで、必要なデータの複製(ディスクイメージ取得等)を行います。

その後、タイムスタンプやファイルアクセス履歴、チャットの送受信記録、USB接続履歴などを中心に、関連性のある情報を時系列で分析していきます。ログと発言を照合することで、発言の正確性や行動の整合性を技術的に確認することが可能になります。

調査結果の活用例(懲戒・配置転換・研修など)

調査の結果、明確な違反行為が確認された場合には、就業規則や社内規程に基づいて懲戒処分や配置転換などの措置を検討することになります。また、直接的な違反がなかったとしても、コミュニケーションや業務指導の在り方に課題が見つかれば、部門単位での教育研修や業務体制の見直しを行うことが重要です。

こうした措置の正当性を説明するうえでも、「何を根拠に判断したのか」が明確な調査報告書があると、社内外への説明がスムーズになります。

おすすめのフォレンジック調査会社

公式サイトデジタルデータフォレンジック

編集部が厳選したおすすめのフォレンジック調査会社は、デジタルデータフォレンジックです。

デジタルデータフォレンジックは、累計3万9千件以上の豊富な相談実績を持ち、全国各地の警察・捜査機関からの相談実績も395件以上ある国内有数のフォレンジック調査サービスです。

24時間365日の相談窓口があり、緊急時でも安心です。相談から見積りまで無料で対応してくれるので、フォレンジック調査の依頼が初めてという方もまずは気軽に相談してみることをおすすめします。

ハラスメント調査を行うための体制づくりのポイント

ハラスメントに関する調査は、関係者の人権・プライバシーに配慮しつつ進める必要があります。とくにデジタル証拠を扱うフォレンジック調査では、情報の取り扱いや目的外利用が問題視されないよう、明確なルールと体制が求められます。

従業員の権利に配慮した規程・ルール整備

社内調査を実施するうえでは、対象者のプライバシー保護、調査目的の明確化、調査結果の管理方法などを定めた社内規程の整備が重要です。たとえば、社内のIT資産に関する利用規程において「業務端末の操作ログは調査目的で取得・解析されることがある」旨をあらかじめ明記しておくことが望まれます。

また、就業規則やコンプライアンスマニュアルにおいても、調査時の手順や関係者の取扱いを明示し、従業員に対して周知することがトラブル防止につながります。

社内窓口・コンプライアンス部門・外部専門家の役割分担

調査体制の整備にあたっては、以下のような役割分担を検討することが有効です。

  • 人事部門:被害申告の受付、関係者との調整、懲戒対応
  • 法務・コンプライアンス部門:調査の適法性確認、対応方針の決定
  • IT部門:証拠の保全、ログ管理、技術支援
  • 外部のフォレンジック調査会社:データ解析、報告書作成支援

特にプライバシーへの配慮が求められる場面では、外部の専門家に依頼することで、客観性・中立性の確保につながります。

社内規程と教育体制の整備による予防と透明性の確保

ハラスメントの再発を防ぐには、相談しやすい環境づくりと、適正な調査が行われるという信頼の醸成が重要です。そのためには、従業員向けの研修や啓発活動とあわせて、「相談対応マニュアル」「デジタル調査のガイドライン」などを整備・公開することが推奨されます。社内規程や就業規則に「調査の位置づけ」「関係部署・専門家との役割分担」を明記し、マニュアルの整備や教育研修を行って社内に浸透させましょう。

「調査が適正に行われる」という前提を社内で共有することで、過度な言動や独断的な業務指示の抑止にもつながります。

まとめ

ハラスメント相談への対応は、被害の抑止と再発防止にとどまらず、企業全体の信頼性や透明性にも大きな影響を与えます。

従来のヒアリングだけでは限界がある場面において、フォレンジック調査を取り入れることで、事実確認の精度が高まり、社内外への説明責任を果たしやすくなります。

同時に、プライバシー保護や適切な体制整備も不可欠です。調査を公正に進め、関係者が安心して働ける職場環境を維持するためには、デジタル証拠の利活用と内部規程・教育の強化を両立することが求められます。

フォレンジック調査は「処分のためのツール」ではなく、「公平で納得感のある判断を下すための仕組み」として位置づけ、適切に活用していく姿勢が重要です。

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