標的型攻撃メールの例と見分け方|企業が注意すべきポイント|サイバーセキュリティ.com

標的型攻撃メールの例と見分け方|企業が注意すべきポイント

標的型攻撃メールは、特定の企業や個人を狙って作られる巧妙なフィッシングメールで、企業の情報やシステムを狙った攻撃の一環として利用されます。受信者が気づかないうちに情報を盗んだり、不正なリンクに誘導してウイルスを送り込んだりすることが目的のため、見分けることが難しく、大きな被害につながることもあります。

この記事では、標的型攻撃メールの具体的な例や見分け方、そして企業が取るべき対策について解説します。標的型攻撃メールの手口を知り、早期発見と対策につなげることで、企業全体のセキュリティを強化しましょう。

標的型攻撃メールの例と特徴

標的型攻撃メールとは、特定の企業や個人を狙って送信されるフィッシングメールの一種で、受信者を信用させるために特定の情報を使ってカスタマイズされています。以下に、標的型攻撃メールの具体的な例と、それぞれの特徴を解説します。

例1. 請求書を装ったメール

件名:〇〇株式会社請求書発行のお知らせ
内容

〇〇株式会社〇〇様
平素よりお世話になっております。〇月分の請求書を発行しましたので、ご確認の上お支払いをお願いいたします。
請求書は以下のリンクよりご確認いただけます。
[請求書を確認する]
何かご不明点がございましたらご連絡ください。

〇〇株式会社 経理部
連絡先: 03-1234-5678

特徴

  • 宛名や会社名が正確に記載されているため、本物と見分けがつきにくい。
  • 不審なリンクが含まれており、クリックするとフィッシングサイトに誘導される。

例2. 社内システムの緊急確認を促すメール

件名:セキュリティ確認のお願い(〇〇システム)
内容

〇〇部の皆様
最近、社内システムでの不審な活動が確認されました。安全のため、下記リンクよりログインし、パスワードの変更をお願いします。
[システムにログインする]
ご協力をよろしくお願いいたします。

ITセキュリティ管理部

特徴

  • 実際に使っている社内システム名が記載され、信頼性を高めている。
  • 緊急を装う内容で、社員が焦ってリンクをクリックしやすい。
  • リンク先は偽のログインページで、社員の認証情報を盗む意図がある。

例3. 人事異動や給与に関する案内

件名:人事異動に伴う給与改定のお知らせ
内容

〇〇部 〇〇様
〇〇様の昇進に伴い、給与改定がありましたのでご確認をお願いします。詳細は以下のリンクで確認できます。
[詳細を確認する]

人事部

特徴

  • 人事や給与という重要な内容で興味を引く手口。
  • 社員が詳細を確認するためにリンクをクリックしやすい。
  • 偽の人事部や給与システムのページに誘導し、認証情報や個人情報を入力させる。

標的型攻撃メールの見分け方

標的型攻撃メールは非常に巧妙で見分けが難しいことがありますが、次のポイントに注意することで見分けやすくなります。

1. 差出人のメールアドレスを確認する

差出人の名前や会社名が正しい場合でも、メールアドレスのドメインや綴りに注意する必要があります。不自然なメールアドレスであれば、偽装されている可能性が高いため、開封せず削除しましょう。

2. メール内のリンクを確認する

リンク先を確認するために、リンク上にカーソルを置き、実際のURLを確認します。URLが不審なドメインや見慣れないドメインの場合、クリックせずに報告してください。

3. 不自然な表現や誤字脱字に注意する

標的型攻撃メールは内容が巧妙ですが、細かい表現や誤字脱字に不自然さが残っていることもあります。日本語が不自然だったり、通常のビジネスメールと異なる表現が含まれている場合には、注意が必要です。

4. 不要に緊急性を強調する内容

「至急対応」「セキュリティ上のリスク」「支払い期限」などの言葉で緊急性を装い、受信者に冷静な判断をさせないようにする手口も多く見られます。不安を感じた場合は、一度社内のIT部門に確認するなどの対応が重要です。

標的型攻撃メールの対策

標的型攻撃メールに対する対策を行うことで、被害を未然に防ぐことができます。以下のような対策が推奨されます。

1. 定期的なセキュリティ教育

社員が標的型攻撃メールの危険性を理解し、適切な対応ができるように、定期的なセキュリティ教育を実施します。実際の攻撃メール例を使った訓練も効果的です。

2. 標的型攻撃メール訓練の実施

定期的な標的型攻撃メール訓練により、社員が攻撃メールを見分けるスキルを養うことができます。この訓練によって、社員が不審なメールに気づき、適切に報告する行動を身につけやすくなります。

3. メールフィルタリングの強化

標的型攻撃メールを検知するためのメールフィルタリングシステムを導入し、攻撃メールを自動的にブロックすることで、被害のリスクを下げることが可能です。

4. 報告体制の整備

社員が標的型攻撃メールを受け取った際、スムーズに報告できる体制を整えておくことも重要です。専用の報告フォームやワンクリックで報告可能なシステムを用意し、社員が迅速に対応できるようにします。

まとめ

標的型攻撃メールは巧妙に作成され、企業にとって大きなリスクとなります。請求書や社内連絡を装ったメールなど、実際に社員が信じて開封してしまう可能性のある例を把握し、日頃から注意を払うことが重要です。セキュリティ教育や訓練、メールフィルタリングの強化、報告体制の整備など、複数の対策を組み合わせて、企業全体で防御力を高めましょう。

標的型メール訓練サービス

標的型メール訓練サービスは、標的型攻撃を模擬したメールを訓練対象者に実際に送信します。添付ファイルの開封率やメール本文に含まれるURLのクリック率を収集し、分析することで、標的型攻撃メールに対する組織の現在の耐性を評価することができます。


サイバーセキュリティ対策 標的型メール訓練サービス

  • 中小企業の情報瀬キィリティ相談窓口[30分無料]
  • 情報処理安全確保支援士(登録セキスペ)募集
  • サイバー保険比較
  • 【企業専用】セキュリティ対策無料相談