標的型攻撃メールを開いてしまったら?対処法と注意点を解説|サイバーセキュリティ.com

標的型攻撃メールを開いてしまったら?対処法と注意点を解説

近年、サイバー攻撃の手法として「標的型攻撃メール」が増加しています。これは、特定の企業や個人を狙ったメール攻撃で、受信者が誤ってメールを開いてしまうと、マルウェア感染や情報漏洩の危険性があります。もし誤って標的型攻撃メールを開いてしまった場合、迅速な対応が求められます。

この記事では、標的型攻撃メールを開いてしまった場合の対処法や、今後の注意点について詳しく解説します。

この記事で分かること

  • 標的型攻撃メールを開いてしまった際の具体的な対処法
  • マルウェア感染の兆候とその確認方法
  • 今後のセキュリティ対策と注意点

この記事を読んでほしい人

  • 標的型攻撃メールを開いてしまった、または不安に感じている方
  • セキュリティ対策の強化を考えている企業のIT担当者
  • 企業内で標的型攻撃に備えた教育や訓練を検討している方

標的型攻撃メールとは?

標的型攻撃メールは、特定の個人や組織を狙って送信される悪意あるメールです。攻撃者は、ターゲットの企業情報や個人情報を調査し、その人がクリックしやすい内容やファイルを作成します。以下のような手法がよく使われます。

  • 信頼できる企業や取引先を装う:実在する企業や知り合いのふりをして、安心感を与えます。
  • 偽装リンクや添付ファイルを含む:悪意のあるリンクやマルウェアを仕込んだ添付ファイルを送り、クリックやダウンロードを誘導します。

標的型攻撃メールを開いてしまった場合の対処法

もし誤って標的型攻撃メールを開いてしまった場合、次のステップで素早く対応することが重要です。

1. 添付ファイルやリンクをクリックしていない場合

まず、メールを開いても、リンクをクリックしたり添付ファイルを開いていない場合は、大きな問題にはならない可能性があります。しかし、以下の対策を実行することが推奨されます。

  • メールを閉じる:まずそのメールを閉じ、削除します。
  • IT部門に報告:企業内の場合、IT部門にすぐに報告し、調査を依頼します。個人であれば、信頼できるセキュリティソフトでスキャンを行います。
  • 不審なメールを報告:もし使用しているメールサービスにフィッシング報告機能があれば、それを利用してメールを報告します。

2. 添付ファイルを開いた、またはリンクをクリックしてしまった場合

もしリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いてしまった場合、システムがマルウェアに感染した可能性があります。以下の手順に従って対処します。

  • ネットワークから切断する:パソコンをインターネットや社内ネットワークから切り離します。これにより、感染が広がるリスクを最小限に抑えられます。
  • IT部門または専門家に連絡する:企業内のIT部門や、セキュリティに詳しい外部専門家にすぐに連絡し、状況を報告します。場合によってはシステム全体の調査が必要です。
  • セキュリティソフトでスキャンを実行:信頼できるウイルス対策ソフトで、システム全体をフルスキャンします。マルウェアが検出された場合は、駆除を行います。
  • パスワードの変更:もしアカウント情報が流出した可能性がある場合は、すぐにパスワードを変更します。特に、メールアカウントや重要なサービスにアクセスするパスワードを変更することが重要です。
  • ログイン履歴や異常アクセスを確認:メールやオンラインサービスのログイン履歴を確認し、不審なアクセスがないかを調べます。見慣れないIPアドレスや端末からのアクセスがあれば、そのアカウントは即座に対策を行います。

マルウェア感染の兆候を確認する方法

標的型攻撃メールによるマルウェア感染は、すぐに気づかない場合もあります。以下の兆候が見られた場合、感染の可能性が高いです。

1. システムの動作が遅くなる

マルウェアがバックグラウンドで動作していると、コンピュータの動作が遅くなることがあります。特に、普段と比べて著しくパフォーマンスが低下している場合は注意が必要です。

2. 不審なポップアップや広告が表示される

通常のブラウジング中に、突然不審なポップアップや広告が表示される場合、マルウェアが仕込まれている可能性があります。

3. ファイルやプログラムの異常

ファイルが突然消えたり、新しいプログラムが勝手にインストールされている場合、マルウェアがシステムに侵入した可能性があります。

今後のセキュリティ対策と注意点

標的型攻撃メールに対する意識を高め、同様の被害を防ぐためには、次の対策を講じることが重要です。

1. メールの送信者と内容を常に確認する

不審なメールが届いた場合、すぐに開かずに、送信者のアドレスを確認します。また、送信者が正規の取引先や知り合いであっても、不自然なメールや添付ファイルには注意を払いましょう。

2. リンクや添付ファイルを開く前に慎重に判断する

リンクをクリックしたり、添付ファイルを開く前に、そのファイルが本当に安全かを確認する癖をつけましょう。場合によっては、リンクのURLを事前に確認したり、添付ファイルを送ってきた理由を確認することも大切です。

3. セキュリティソフトの導入と更新

信頼性の高いセキュリティソフトを常に最新の状態に保ち、定期的にフルスキャンを行いましょう。また、OSやソフトウェアも常に最新のセキュリティパッチを適用しておくことが推奨されます。

4. 社内教育を実施する

企業では、社員に対して標的型攻撃メールやフィッシングメールに対する教育を定期的に行うことが重要です。実際のケースを元にした訓練を行うことで、攻撃に対する意識を高められます。

まとめ

標的型攻撃メールを開いてしまった場合でも、素早く正確に対応することで被害を最小限に抑えることができます。メールを開いた時点で被害が出ることは少ないですが、リンクをクリックしたり、添付ファイルを開いた場合は即座にネットワークから切断し、専門家のサポートを受けることが大切です。

また、今後のリスクを軽減するためには、日頃からメールの確認方法やセキュリティ対策を徹底することが必要です。標的型攻撃メールの手口は巧妙化していますが、正しい知識と迅速な対応が被害防止のカギとなります。

標的型メール訓練サービス

標的型メール訓練サービスは、標的型攻撃を模擬したメールを訓練対象者に実際に送信します。添付ファイルの開封率やメール本文に含まれるURLのクリック率を収集し、分析することで、標的型攻撃メールに対する組織の現在の耐性を評価することができます。


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