WatchGuard(ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン)

WatchGuard(ウォッチガード・テクノロジー)が開発しているUTM、「WatchGuard(ウォッチガード)」の特徴や評判について徹底調査しました。

導入するメリットやデメリットに加え、実際に購入したユーザーのレビュー結果も紹介します。

WatchGuardの特徴

米国ワシントン州に本社を置くWatchGuard Technologies, Inc.は、統合セキュリティアプライアンスの企業として知られています。

日本国内にも、ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンをおいて、日本国内のユーザーのサポートを行っています。

専門ベンダーの良いところ取りで開発したUTM

WatchGuardは、中小企業が容易に管理できる総合的なセキュリティ対策の提供をミッションに掲げています。

WatchGuardのセキュリティ対策機能は次項のとおりですが、それらの各機能をすべて自社で開発しようとせずに、各専門ベンダーが開発した機能を利用している点が特徴です。

ゲートウェイアンチウイルスはAVG、情報漏えい対策機能はソフォス、迷惑メール対策はCYREN、IPS/IDSやアプリケーション制御はトレンドマイクロというように、各ベンダーが得意とする機能を選んで“良いところ取り”する方針で開発されたUTMです。

もちろん、エンドポイント脅威対策・レピュテーションセキュリティ&Botnet Detectionなど、WatchGuardで開発した技術を搭載した機能もあります。

WatchGuardの機能

WatchGuardは、中小規模・大規模あらゆる規模に向けたラインナップを揃えているため、多数の機能を実装しています。

  • ゲートウェイアンチウイルス
  • 情報漏えい対策機能
  • 迷惑メール対策
  • IPS/IDS
  • Webフィルタリング
  • アプリケーション制御
  • エンドポイント脅威対策
  • レピュテーションセキュリティ&Botnet Detection
  • 標的型攻撃サンドボックス

WatchGuard独特機能のうち、「標的型攻撃サンドボックス(APT Blocker)」は、次世代クラウドサンドボックスで、”隠された攻撃”も検知・阻止するというものです。セキュリティ対策機能を回避するよう設計されたマルウェアが生まれていますが、物理ハードウェアをシミュレートする次世代型クラウドサンドボックスで、このようなマルウェアを用いた標的型攻撃も阻止します。

「エンドポイント脅威対策(Threat Detection and Response(TDR))」は、ネットワークとエンドポイントからのセキュリティイベント情報を相関分析し、脅威に対するレスポンスの優先度を決定します。

機能のすべてを自社で設計する方針で開発するUTMメーカーもありますが、WatchGuardは逆の発想で、各社の秀でた部分を賢く利用するというアプローチを採用しています。

WatchGuardの性能

WatchGuardは中小規模企業向けのUTMから、企業の本社に導入して、”ハブ”アプライアンスとして、本社・すべての在宅勤務者・小規模拠点間のすべての通信を管理するハイエンドモデルまで展開しています。

その性能は選択するUTMのランクに比例します。

ファイアウォールスループット VPNスループット IPSスループット AVスループット
WatchGuard Firebox T15(エントリーモデル)の場合 400Mbps 150 Mbps 160 Mbps 120 Mbps
WatchGuard Firebox M5600(ハイエンドモデル)の場合 60 Gbps 10 Gbps 18 Gbps 12 Gbps

WatchGuardのUTMだけでも多くのモデルを展開しているため、WatchGuardのみの製品・性能比較サイト(英語のみ)も用意されているほどです。

WatchGuardの設置・インストール

WatchGuardは、多数の機能から自社が必要な機能を選択して契約できるようになっています。機能が多いため、契約する機能を個別に選択するのではなく、シンプルな3つのパッケージから1つを選択します。

サービスのパッケージは、機能の多い順に、Total Security Suite、Basic Security Suite、Supportとなっています。

初期セットアップを行えるウィザード”Quick Setup Wizard”が付属しているため、技術者でなくてもセットアップ可能です。

WatchGuardの評判・口コミは?

WatchGuardを実際に購入したユーザーからの評判や口コミを紹介します。

良い口コミ

“機能の割に低価格なため、導入し易い製品です。ポリシー作成の管理画面もシンプルでJavaなど使っていないのが好感を持てます。”

引用WatchGuardのレビュー/ITreview

“シンプル”をコンセプトに製品設計をするWatchGuardですが、シンプル設計はユーザーにも好評のようです。

悪い口コミ

“リアルタイムにログを検索した時の画面が見にくいため、もう少し見やすくなったら嬉しい。ポリシー設定画面のIPアドレスが横並びで見にくいため、一覧表示時も縦並びにしてほしい。”

引用WatchGuardのレビュー/ITreview

WatchGuardはネットワークの状態を可視化することが重要と説明していますが、このユーザーは、可視化されていたとしても画面が見にくいという印象を持ったようです。

WatchGuardを導入するメリット・デメリット

WatchGuardを購入するメリットとデメリットを紹介します。

WatchGuardのメリット

WatchGuardは、機能を豊富にかつラインナップも多数を用意している一方、モデルや契約機能はシンプルに選択できるようになっています。

中小規模企業を守るUTMから大会社の本社に設置するハブUTMもラインナップし、どのような規模であっても自社に合うUTMが探せるメーカーです。

豊富なラインナップから設置場所の規模に合わせたモデルが探せるため、規模がまちまちな複数拠点に対し、UTMを同時に導入したい場合などに最適なUTMメーカーです。

WatchGuardのデメリット

WatchGuardの各機能は、他社からそれぞれの秀でた機能を寄せ集めて設計されているため、各機能の連携やカスタマイズは不得意です。

パッケージの選択はシンプルで、技術者でなくても導入が可能ですが、逆に自社であらゆる機能を管理したい企業では、融通が利かないと感じる部分がありそうです。

WatchGuardの対応規模は?

WatchGuardで対応できる範囲はどのくらいでしょうか。WatchGuardを導入したときに効果の高い企業規模を紹介します。

  個人・小規模企業
(従業員数20人未満)
小規模企業
(従業員数20~100人)
中規模企業
(従業員数100~300人)
大規模企業
(従業員数300人以上)
WatchGuardによる対応規模
本サイト検証による導入効果が高い企業規模 

参考:
・認証ユーザー数:200 (WatchGuard Firebox T15の場合)
・認証ユーザー数:無制限 (WatchGuard Firebox M5600の場合

実際に導入したユーザーのレビューを見ると、導入した企業の業種は建設・情報システム・販売サービス業など多岐にわたりますが、従業員数は20人未満から~1000人以上と幅広い企業で導入されていました。

ラインナップが豊富なため、どの企業規模であっても自社に合うモデルや機能が見つかるためでしょう。

WatchGuardの価格相場は?

WatchGuardは本体と別に各種機能や保守をサブスクリプション購入で追加します。

各機能や保守は、3つのサービスプラン(Total Security Suite、Basic Security Suite、Support)から選択します。

  本体(Basic Security Suite1年付)
WatchGuard Firebox T15の場合 約9万円
WatchGuard Firebox M370の場合 約46万円
WatchGuard Firebox M4600の場合 約230万円

(2020年4月20日現在 参考価格)
参考価格です。販売店により価格設定が大きく異なります。

受けられるサポートには、故障時に機器の返送を待たずに、先に代替品を提供する”先出しセンドバック”やファームウェアバージョンアップ権利を含みます。

また、Email/電話によるサポートも受けられますが、平日9時~18時以外は英語でのサポートとなります。

まとめ

WatchGuardのUTMの特徴や評判について解説してきました。

WatchGuardは、UTMと契約サービスの選択が非常にシンプルで、導入がスムーズです。

豊富なラインナップから自社に合った1台を選び、豊富な機能をひとまとめにしたサービスパックから1パッケージを選ぶという、“Oneアプライアンス、Oneパッケージ”のコンセプトを採用した製品展開をしています。

どのような規模の企業にも合うUTMが見つかるため、無難かつ安全な選択でしょう。

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