
サクサ(Saxa)のUTMの特徴や評判について徹底調査しました。
製品の特徴や性能に加え、導入するメリットやデメリットも紹介します。
サクサ(Saxa) UTMの特徴
情報通信システム機器の開発・製造を行う「サクサ(Saxa)」は、連結従業員数約1,130名を誇る国内メーカーです。
サクサ UTMの機能面でも、日本のメーカーらしい特徴が見られます。
Kaspersky社セキュリティ機能を搭載
サクサ UTMのアンチウイルス・Webフィルタリング・アンチスパムなどのセキュリティ機能には、Kaspersky社の技術を採用。
セキュリティソフトウェアメーカーのKasperskyは技術力の高さで知られているメーカーです。
社内からの脅威に対応
企業外部からの攻撃に対し、社内ネットワークを守る目的で設置するものがUTMですが、サクサ UTMは、社外からの脅威のみでなく、社内からの脅威に対処する機能も充実しています。
例えば、社内のPCが乗っ取られてしまうと、外部のWebサーバなどへの攻撃やスパムメール送信のための踏み台として悪用されてしまうことがあります。
また、マルウェアに感染した社内のPCにより、ファイルのアップロードやメール送信を介して外部にマルウェアを拡散してしまうことになります。
このような外部に対して意図せず危害を加えてしまうことを防ぐため、社内ネットワークから外部に発する不正アクセスの検知やマルウェア拡散防止の機能が強化されています。
「サクサ見える化サイト」で防御状況を確認
他メーカーのUTMでも、攻撃発生情報や脅威からの防御状況を可視化するレポート機能を有するモデルが多くあります。
サクサの場合は、各顧客専用のWebページ「サクサ見える化サイト」で確認できるようになっていますが、他社と一線を画しているのがその敷居の低さです。
他メーカーのレポート画面はUTMの管理者やIT管理者用の画面として構成されていますが、サクサの場合はランキング形式で示したり、イラストを交えて示したりと、UTM管理者以外が見ても分かりやすい構成になっています。
画像引用サクサ見える化サイト
例えば、企業のトップなど社内のオペレーションに直接関与していない層に対し、「見える化サイト」をそのまま資料にしながら説明するという使い方もできそうです。
攻撃発生時には電話機のLCDでも通知可能
情報通信システム機器の製造も行うメーカーらしい機能として、PC以外の機器との連携が挙げられます。
例えば、サクサ製ビジネスホンPLATIAⅡと連携すると、電話機のLCDにも攻撃検知情報を表示できるなど、他のUTMメーカーには見られない点です。
他のUTMメーカーの場合は、ソフトウェアのみが自社開発の場合が多いですが、他の通信機器の製造も行うサクサならではの機能です。
サクサ UTMの防御機能
サクサ UTMは、他メーカーでも対応している外部からの脅威に対する機能を搭載しつつ、内部からの脅威に対する機能も充実させています。
- 外部からの脅威に対する機能の一部
- 外部からの不正アクセス防御
外部からのデータ通信を監視し、社内ネットワークへの不正アクセスを防ぐファイアウォール機能・IPS/IDS。 - C&Cサーバ通信遮断
不正プログラムに感染したPCが、攻撃の命令を担うサーバであるC&Cサーバとバックグラウンドで通信を行っていた場合でも、その通信を検知・ブロックします。 - 内部からの脅威に対する機能の一部
- ネットワーク攻撃拡散阻止
社内ネットワーク内部の機器から外部に対するDoS攻撃などを阻止し、ネットワーク攻撃の拡散を防ぎます。 - 内部機器からの不正アクセス阻止
社内のPCが、外部のWebサーバなどへの攻撃やスパムメール送信のための踏み台として悪用されないように阻止します。
サクサ UTMの性能
サクサ UTMの性能面では、特に処理速度が速いため、設置しても重くならないと評価されています。
ファイアウォールスループット | VPNスループット | IPSスループット | AVスループット | |
---|---|---|---|---|
SS5000Ⅱ | 1.2Gbps | - | 200Mbps | 200Mbps |
また、SS5000ⅡにはStdとProとがあり、接続台数が異なるので設置拠点のサイズに合わせて選択します。
- Std:推奨接続台数15台、無線LAN非対応
- Pro:推奨接続台数60台、無線LAN対応
サクサ UTMの評判・口コミは?
サクサ UTMを実際に使用したユーザーからの評判や口コミを紹介します。
良い口コミ
“フル日本語の安心感。この機器は日本向けに最適化されているので、優しくわかりやすいです。”
“低価格なのにサンドボックス機能まで実装されているのが凄い。“
不正プログラムかの判別が難しい不審なプログラムを、仮想環境内で実際に動作させて見極める「サンドボックス」機能を備えている点が評価されています。
他のメーカーでは、サンドボックスがオプション機能として提供されていることもあり、標準搭載なのは優れた点のひとつです。
また、他のUTMメーカーは海外勢がほとんどで、UIやドキュメントの日本語化に難がありますが、日本のメーカーであるサクサ(Saxa)では、その点は問題になっていません。
悪い口コミ
“電話機器をリースしている会社から、6年リースの月々1万円のサクサのUTM SS3000というアダプターをリースしないといけないと言われました。毎月1万円は正直しんどいです。”
UTMへのコストが月額1万円を超えると、小規模企業では負担に感じるようです。
※価格は代理店により大きく異なります。このユーザーが契約している代理店では月額1万円の費用だったようです。
サクサ UTMを導入するメリット・デメリット
サクサ UTMを購入するメリットとデメリットを紹介します。
サクサ UTMのメリット
Saxa(サクサ)は、外部からの脅威に対する機能を搭載しつつ、内部からの脅威に対する機能が充実している点や、日本のメーカーなのでUIやドキュメントの日本語が読みやすく分かりやすい点などがメリットです。
また、サポートが手厚い点も高評価です。
“ウイルス感染PCヘルプサポート”は無償かつ登録不要のサービスで、万が一、マルウェアに感染した場合に、PCに対しリモートでマルウェア駆除をサポートします。SS5000Ⅱαシリーズでは、このリモートでのマルウェア駆除サポートでマルウェアを駆除できなかった場合に、一律50万円の義援金が支払われます。
「社外への迷惑は絶対に避ける」「対応できなかった場合もお詫びの姿勢を見せる」といった、日本の企業文化までも重んじた親切設計が、サクサ UTMの最大のポイントです。
サクサ UTMのデメリット
サクサ UTMのデメリットは、ラインナップが少なく、企業規模の対応範囲が狭いことです。
SS5000ⅡのProプランでも推奨接続台数は60台までのため、大企業には不向きです。
また、小規模企業で導入する場合でも、価格は高くはないが最安値ではないため、価格ありきでUTMを選びたい場合は、選択肢からは外れるかもしれません。
サクサ UTMの対応規模は?
サクサ UTMで対応できる範囲はどのくらいでしょうか。サクサ UTMを導入したときに効果の高い企業規模を紹介します。
個人・小規模企業 (従業員数20人未満) |
小規模企業 (従業員数20~100人) |
中規模企業 (従業員数100~300人) |
大規模企業 (従業員数300人以上) |
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Saxa(サクサ)による対応規模 | ★ | ★ | ★ | ★ |
本サイト検証による導入効果が高い企業規模 | ★ | ★ |
もともとSaxa(サクサ)は、従業員数20人程度の中小規模企業向けにビジネスホンを提供していましたが、この規模のオフィスでも容易にセキュリティ対策を導入できるようにとUTMの開発に着手したのが、サクサがUTM市場に参入したきっかけです。
このため、機能拡張した現在のモデルでも”小規模企業にも強固なセキュリティを”という開発姿勢は変わっていません。
サクサ UTMの価格相場は?
参考価格 | |
SS5000II(Stdの場合) | 約35万円~(本体) |
(2020年4月25日現在 参考価格)
参考価格です。販売店により価格設定が大きく異なります。
サクサ UTMにはStdとProがありますが、さらに、それぞれで”標準”・”Plus”・”Plus+”・”(α)”・”(α)Plus”・”(α)Plus+”の6つのプランが選べるようになっています。
6つのプランの違いは、ウイルス定義ファイルの自動更新年数、ソフトウェアαScanII/αPCLogの有無、サポートの内容です。
まとめ
Saxa(サクサ)のUTM、サクサ UTMの特徴や評判について解説してきました。
UTMのメーカーは海外メーカー製が多くを占める中、サクサ UTMは、分かりやすい日本語によるUIや手厚いサポートなど、国内メーカー製の強みを活かした製品設計になっています。
小規模オフィスへの導入におすすめできるUTMです。